2022年8月24日水曜日

昔話「コアラのひょうたん売り」その9

すす「電車はもうこりごりにゃん!横浜から三沢まで、めっちゃ長かったにゃん!」

火曜日はパリのライオンとの打ち合わせ。コアラ、予定通り朝46分シェルブール発の列車に乗り込みました。 パリまでは時間。ライオンとは12時に事務所で待ち合わせ、ランチを一緒に取る約束だったので、余裕なはずでした。 


ところがパリのだいぶ手前でフランス国鉄め、「サン・ラザール駅でトラブル発生、次の駅で止まります。パリへの交通網は遮断されました。」などとたわけたことをアナウンス。車内の動物たちは「またかよ、うんざりだよ!」「ふざけんな、フランス国鉄!」などと罵倒しながら、一斉に携帯電話で連絡を取り始めました。コアラもつられて急いでライオンにメール。「おはよう、ライオンさん。私の電車、止まります。じゃまた。」 


どうなることやらと思いつつ、身支度をして、次の駅で皆と一緒に降りようとすると、その駅から乗って来る動物たちが。おや?乗り込んで来た先頭の動物が「なんだか、このまま行くらしいですよ。」と言うと、降りようとしていた先頭の動物が「へ?そうなの?サン・ラザール駅まで行くっちゅうことかね?」すると乗り込んで来た動物「知りませんよ、あたしゃ。フランス国鉄に聞いてくださいよ、そういうことは!」と突然逆切れ。コアラ、爆笑しそうになりましたが、殴られそうなのでがまんしました。 


ほんじゃとまたおとなしく席に落ち着くと、「サン・ラザール駅でトラブル発生、この列車はモンパルナス駅へ到着します。」とのアナウンス。本当かいなと思いつつも、急いでライオンにメール。「ライオンさん、私の電車はモンパルナスへ。じゃまた。」 


モンパルナス駅ってどの辺だったかなぁ、ライオンの事務所までどの位かかるだろう・・・。そんなことを心配しながら、暇なので乗客観察。やたらいらいらと貧乏揺すりをする動物や、大声でフランス国鉄の悪口を言い合う動物たち、腕を組んで身動きもせずにじっと前を見つめ続けている動物夫婦など。 


そのうちまた耳障りなアナウンス。「この列車は予定通りサン・ラザール駅へ到着します。」ですと。するとまぁ、乗客のみなさん、大喜びでフランス国鉄を褒め称え始め・・・かなり単純な動物たちでありました。 


そうしてなんとか、サン・ラザール駅に一時間ほど遅れて到着。一部の出口は閉鎖され、警官動物たちがずらりと並び、かなり物騒な雰囲気。急いでライオンに電話をかけ、待ち合わせに30分ほど遅れる旨伝えてメトロに乗り込みました。 


打ち合わせランチは美味しく和やかに。情報交換をしながら、サーモンのグリル、サラダ、セップのリゾットを食べてコアラ大満足でした。それにしてもライオンの食べ方は「ワイルド」。「もうちょっとゆっくり食べれば?誰も横取りしないし。」とか「パン粉がセーターの袖についてるよ」とか言いたかったのですが、自分の息子じゃないのでやめておきました。 


レストランを出たのは14時頃。帰りの列車は15時過ぎでしたが、あの駅がその後どういうことになっているやらと、急いで戻りました。 


すると、サン・ラザール駅の正面入り口はシャッターが下りて閉鎖されており、

別の入り口から入ってみると、行き場を失った動物たちでこんな具合に。 



憎きフランス国鉄係員に訊ねると、「18時頃まで閉鎖するので、まぁコーヒーを飲んだりショッピングでもして時間をつぶしてまた来てみたら?」ですと。笑顔のこの動物にとび蹴りしたろかと思いましたが、 こちらの動物たちの手前、おとなしくしておきました。 



じたばたしても仕方がない。こんな時に切り替えの早いコアラは、早速ショッピングへ。目的はサムソナイトのスーツケースであります。うかうかとしているうちに、日本への旅行はもうすぐ。持っているサムソナイトはかれこれ20年も使っている代物で、馬鹿みたいに頑丈ではありますが、大変重い上引っ張っても言うことを聞かないので、この機会に是非買い換えたいと思っていたのです。 


プランタンのサムソナイト売り場で5種類ほどを開けてみたり、引っ張ってみたりした結果、超軽量という比較的新しいモデルが気に入って購入しました。30%オフでしたよ、バンザイ。サムソナイトは絶対にバーゲンをしないと断言するシェルブールのカバン屋店主の口車に乗って買わずに待って幸いでした。 

その後、空っぽのやたら軽いサムソナイトをガラガラ言わせながら、サン・ラザール駅へ偵察に戻ってみました。すると、どの入り口も完全に閉鎖され、問い合わせようにも職員一人居ません。隅っこの方にふざけた言い訳と共に、「モン・パルナス駅より代替列車の出る可能性もあり。」との貼紙を発見しました。 


大きく一つため息をつき、メトロでモン・パルナス駅へ。問い合わせ窓口に並び、そこからマンテ・ラ・ジョリ駅まで行き、そこで乗り換えてシェルブールまでの臨時列車に乗るよう教えられました。 


マンテ・ラ・ジョリ駅までの列車は最悪。怪しい乗客で満杯な上、車内の隅で吐いている酔っ払い動物が居ました。 


ようやく車外に出た時にはほっとしましたが、それから待つこと1時間あまり。無事シェルブールの自宅へ戻った時には23時になっていました。


そんなこんなで、コアラは少々疲れ気味であります。アメリカのカワウソは相変わらず、じゃんじゃん電話して来ては泣き言を吐いています。なんだかいろいろとややこしいことになって来ていますが、まぁここががんばりどきでしょうか。 


ながながと綴りましたが、書きたかったことはただ一つ、「フランス国鉄なんて嫌いだ!」つづく


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