2022年7月18日月曜日

長命泉のランプ

ノルマンディで暮らしていた頃、祖母や母から受け継いだ着物の端切れや和紙などを使って、楽しんで作っていた額やランプ。今日ご紹介するのも、そのうちのひとつです。こちらも2013年頃にこのブログでご紹介したことがあるのですが、久しぶりにまた登場させていただきます。

ある日、友達のロランが出張の帰りに、成田空港の免税店で「長命泉」という名の吟醸酒を買って来てくれました。ノルマンディでは美味しい日本酒を手に入れることが難しかったので、とても嬉しかったのですが、あっと言う間に飲んでしまいました。空になった器を名残惜しく眺めているうちに、それを台にしてランプを作ってみようと思ったわけです。

 
瀬戸物で壊れ易いので、フィリップが慎重に穴を開け、コードを通しました。シェードに使ったのは、華やかな振袖のハギレです。

ちなみに、この着物は大昔に、母が私のためにワンピースに仕立ててくれました。フランス在住時代にはよく着ておりましたが、残念ながら今では太ってしまい、もう入りません(泣)。
 

さて、出来たランプに合わせて、美味しかった「長命泉」を想いつつ、フランスの民謡「泉のほとりで」の替え歌を作ったりもしました。
 
澄んだ泉へ
飲んだくれに行き
その水はあまりに美しく
「長命泉」に浸った

好きになったのは最近だけど
決して忘れはしないだろう

松の葉の下で
チクリと刺され
正気を失う前に
鶯が鳴いていたっけ

好きになったのは最近だけど
決して忘れはしないだろう

歌っておくれ、鶯よ、歌って
陽気な君
喜び浮かれる鶯よ
そして私も喉の渇きを潤し
すっかりご機嫌

好きになったのは最近だけど
決して忘れはしないだろう

日本酒が簡単に手に入るようになった今となっては、なんとも滑稽な感じがして、自分のことながら呆れてしまいます。よっぽど美味しかったのだろうと思います。
 
長い間リビングに飾って使っていた「長命泉」のランプですが、引越セールをした際、アンティーク好きな友達のフランソワーズが気に入って買ってくれました。彼女の家の片隅に飾られた「長命泉」は、なんだかちょっと嬉しそうで誇らしげに見えました。
 
 
私の「長命泉」が、大好きなフランソワーズと彼女の家族や愛猫、愛犬たちをそっと見守りながら、静かに明かりを灯しているのを想像してにやけたものです。

そういえば、彼女とはもう何年もご無沙汰してしまっています。元気かしら。メールしてみよう!

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