2022年9月5日月曜日

昔話「コアラのひょうたん売り」その17

すす「カモシカさんって、カワウソさんより強烈にゃん。」

その後もタヌキはご機嫌でじゃんじゃか新ひょうたんを発表、今月は合計9商品になりそうです。そんなことをされても、ヨーロッパはすっかり夏休みムードですから、注文数はそれ程のびません。 


それに比べてアジアの勢いは違います。アメリカも最近盛り返して来たのでしょうか、注文が定着、数ものびて嬉しいコアラです。 


フランスのライオンは10日ばかり夏休みです。メールを送ると自動不在メッセージが返って来ますが、その後携帯からきちんと返信してくれます。夏休みとはいえ、立場と性格上メール・チェックを怠れないのでしょう。不憫に感じながらも遠慮なくメールさせてもらっています。 


そのライオンの洞穴でちょっとした事件がありました。ライオン傘下、スイスのカモシカが突然首になったのです。 


カモシカは日本に住んでいたことがあり、日本語が流ちょうでした。スイスのショップを仕切り、ライオンの受注とりまとめ(フランス、スイス、ドイツ、北欧)と流通も担当していました。 


温厚な動物ではあるのですが、なにしろ忘れっぽくてのんびりしていました。スイス産はたいていそうだという噂もありますが、本当でしょうか。受注期日を守れない、急ぎの書類をもらえない、電話をしても居ないなど困ることが多々あったので、以前ライオンにどうにかならないかと相談したこともありました。 


写真と登場人物とは一切関係ありません)


月初めのいくつかの商品の受注数連絡も、いつものことながら期日にくれず、いらいらとしながら携帯電話にかけました。 

カモシカはかなりご機嫌で悪びれもせずに、 

「あー、コアラさん、元気ですかー。今ねー、ぼくねー、ちょっと出先なんでねー、あとで送ってあげますよー、心配しないでねー」と日本語で。数時間後に届いたは良いものの、これもいつものことながらミスがあり、再送してもらわなくてはなりませんでした。 


「どうにかならないかしら、あのカモシカ!」とゾウに愚痴っていたコアラの唸り声が天に届いたのでしょうか。その後すぐに首になったのですから。 


カモシカ、なんと内緒で勝手に別会社を作り、そこでライオンの石鹸などを売って利益を懐に入れていたそうですよ。どういう小細工をすればそういう裏技が可能であるか、コアラにはさっぱり見当もつきません。今から思えば、ある意味あっぱれなカモシカでありました。


何しろいろいろな動物模様があり、飽きることがありません。タヌキは相変わらず。忘れたころにメールをよこしました。自分がいかに忙しくて大変であるかがだらだらと書かれており、コアラの質問は後回し。どろんと化かしているつもりになっているようですが、コアラには葉っぱを頭に乗っけた寝ぼけタヌキのまんまが目に映っております。 


ここらでコアラも化けてみようかな、ユーカリの葉を頭に乗せて。つづく


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