みなさん、おはようございます。今日はフランス在住時代の日記から、一時帰国した際に母が連れて行ってくれた宝塚歌劇団初体験の思い出をご紹介したいと思います。どんな時も寛容で優しい母でありました。
「すすは宝塚なんかより、パパの抱っこにゃん!」
2007年12月27日
母と上京した午後、日比谷みゆき座にて宝塚というものを初体験した。大ファンである宝塚花組男役トップスターの春野寿美礼がクリスマスに退団するとあって、母は10月頃から何度も上京しては舞台だのパーティだのと通い続けていた。今回私が出張で12月に日本へ行けることになったと報告するとすぐ、宝塚を鼻で笑う娘に是非観せたいと、この日のチケットをネットで競り落としたのだそうだ。通常8000円のチケットを2万5千円、二人分で5万円も出して買ったと聞き、思わず「えええっ!もったいな~い!」と叫ぶ娘に、「その甲斐は充分あるのよ。」とうっとりと言う母…さて、どうだか。
煌びやかな会場へ入り、前から10列目の席に並んで座った。こういう良い席が取れるのは珍しいらしい。「これなら寿美礼さんがよく見えるわ…。」と満足そうな母。観客の90%は女性だが、年齢層は小学生から古希の母よりずっと年上まで幅広い。きょろきょろとあたりを観察しているうちに幕が上がった。
確かに、華やかでみんな綺麗ではある。歌もうまいよなぁ…と観ているうちに、会場の熱気のせいか暑くてたまらなくなり、そのうちにだんだん気分が悪くなって来た。母は舞台に釘付けだし、こんな盛り上がりを見せているところで席を立つのは悪いだろうと思い、必死にがまんした。目が回り、冷や汗が出て来て、あとどのくらいで休憩時間になるのだろうかと、舞台をやぶ睨みしながら待った。そしてようやく幕が下りたので、母に「ごめん、ちょっと気分が悪いから廊下で休んで来る。戻ってくるから心配しないで観ていてね。」と言って席を立った。
会場を出ると、廊下にソファがあるのを見つけ、そこへなだれ込んで上半身を横にして目をつぶっていた。しばらくすると、係員の女性が心配して「よろしければ別室でお休みください。」と声をかけてくれた。母には一人でも観ていてくれるようにと伝えてくれるとのことだったので安心して、ベットのある別室へ案内してもらい…爆睡した。
目が覚めたのは、舞台を見終えた母が入って来た時。1万5千円分は寝ていた娘だが、罵倒することもなく、呆れるわけでもなく「時差ぼけだからねぇ、仕方ないわよ。大丈夫?」と気遣ってくれるところがフランス人とはできが違う。母が日本人で良かった。
東京滞在中、母は何度も朝早くにホテルを出て、寿美礼さんの劇場入りを見守った。「今日はファン・クラブのコスチュームで行く日なの。」といそいそとパーカー、手袋、スカーフなどをつける姿には笑った。
ほんの一瞬、ファンであるスターを見たいがために、寒い中、長時間列に並んで待つ母がとても健気に思えた。私だったら…有り得ない。だいたい、彼女、女だし。
今朝の母とのメール交換でも、彼女の話題が随分と出た。退団記者会見では、「歌や踊りを生かした仕事をどんどんやって行きたい。」と言っていたようだが、今日の情報には「私人に戻って静かに暮らしたい。」とあったそうだ。もう会えなくなると思うとたまらなく寂しいのだと嘆く母に「あ、そりゃ結婚じゃないの?変な人と結婚したらショックだねぇ。」とからかうと、「ううん、誰とでもいいの、彼女が幸せならば。」という返事。あ、聞いたことある…それは3年ほど前に、フィとの再婚を決めた私に母が送った言葉と同じであった。
煌びやかな会場へ入り、前から10列目の席に並んで座った。こういう良い席が取れるのは珍しいらしい。「これなら寿美礼さんがよく見えるわ…。」と満足そうな母。観客の90%は女性だが、年齢層は小学生から古希の母よりずっと年上まで幅広い。きょろきょろとあたりを観察しているうちに幕が上がった。
確かに、華やかでみんな綺麗ではある。歌もうまいよなぁ…と観ているうちに、会場の熱気のせいか暑くてたまらなくなり、そのうちにだんだん気分が悪くなって来た。母は舞台に釘付けだし、こんな盛り上がりを見せているところで席を立つのは悪いだろうと思い、必死にがまんした。目が回り、冷や汗が出て来て、あとどのくらいで休憩時間になるのだろうかと、舞台をやぶ睨みしながら待った。そしてようやく幕が下りたので、母に「ごめん、ちょっと気分が悪いから廊下で休んで来る。戻ってくるから心配しないで観ていてね。」と言って席を立った。
会場を出ると、廊下にソファがあるのを見つけ、そこへなだれ込んで上半身を横にして目をつぶっていた。しばらくすると、係員の女性が心配して「よろしければ別室でお休みください。」と声をかけてくれた。母には一人でも観ていてくれるようにと伝えてくれるとのことだったので安心して、ベットのある別室へ案内してもらい…爆睡した。
目が覚めたのは、舞台を見終えた母が入って来た時。1万5千円分は寝ていた娘だが、罵倒することもなく、呆れるわけでもなく「時差ぼけだからねぇ、仕方ないわよ。大丈夫?」と気遣ってくれるところがフランス人とはできが違う。母が日本人で良かった。
東京滞在中、母は何度も朝早くにホテルを出て、寿美礼さんの劇場入りを見守った。「今日はファン・クラブのコスチュームで行く日なの。」といそいそとパーカー、手袋、スカーフなどをつける姿には笑った。
ほんの一瞬、ファンであるスターを見たいがために、寒い中、長時間列に並んで待つ母がとても健気に思えた。私だったら…有り得ない。だいたい、彼女、女だし。
今朝の母とのメール交換でも、彼女の話題が随分と出た。退団記者会見では、「歌や踊りを生かした仕事をどんどんやって行きたい。」と言っていたようだが、今日の情報には「私人に戻って静かに暮らしたい。」とあったそうだ。もう会えなくなると思うとたまらなく寂しいのだと嘆く母に「あ、そりゃ結婚じゃないの?変な人と結婚したらショックだねぇ。」とからかうと、「ううん、誰とでもいいの、彼女が幸せならば。」という返事。あ、聞いたことある…それは3年ほど前に、フィとの再婚を決めた私に母が送った言葉と同じであった。
こんにちは。mamiさん。
返信削除いいエピソードですね✨
素敵なお母様です😌ほんとに。。
いつまでも恋い焦がれる気持ちは 私のモチベーションになっています🎃
ボンソワール takaさん、
削除はい、親友の様でもある自慢の母でした。もっと親孝行しておけばよかったです。
あ、 takaさんが恋い焦れる人って誰かな?
bonjour mamiさん♪
削除ハハ。話すと止まらなくなりますが笑 2002年の日韓ワールドカップ⚽️の時に 大ファンになったのがホン•ミョンボ選手(今は某チームの監督)でした。韓国語を学ぼうとキッカケをくれた方です。いつか生の彼に会って 韓国語で今までの思いの丈を伝える事が 沢山ある夢の中の1つです😊
最近は フランス語の発音練習(youtubeなどで)が
ドキドキわくわく 恋い焦がれる時間になっています😉
そうなんですね!韓国といえば、母も宝塚の次には韓国スターにはまり大変でした。笑
削除フランス語、楽しく続けられるといいですね❤️