2022年8月31日水曜日

煤(すす)と暮らす〜悪魔に豹変猛ダッシュにゃん

掃除機をかける時、そして晩ごはん前後の時間帯、煤(すす)が悪魔に豹変して、狂ったように猛ダッシュで家中を駆け回ります。不確かなネット情報によれば、狩猟本能の名残だとか、遊び足りない、または病気の可能性がある場合も、とか。

毎日二人で適度に遊んであげているし、手術跡のでべそは未だに引っ込まないものの、毎日快食快便で元気なので、やはり狩猟本能のせいなのかしら。野生の本能には逆らえないし、仕方がないのでしょうか。みなさんの愛猫たちはいかがですか?

掃除機を怖がって隠れる猫もいるそうですが、うちのすすは掃除機に攻撃を仕掛ける強者です。そうするうちに興奮が高まって、掃除の途中から、どたばたと猛ダッシュが始まるのです。

猛ダッシュから高跳びに狂う時もあります。どう見ても悪魔ですが、

声をかければ「にゃんですか?」と、その顔はもう天使。


昨日は、サロンから寝室へ猛ダッシュした折に、廊下の整理棚の上にジャンプして、無残にも泉田之也氏による小鉢を落として割ってしまいました。

(購入時の写真)

大好きなGalleryたなか1890さんで選んで、ずっと大切にしていたのに。ここは絶対に危ないから、しまわなくてはと言いながら、そのまま飾っていたのが間違いでした。すすに怪我がなくて幸いと思って諦めます(泣)

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2022年8月30日火曜日

昔話「コアラのひょうたん売り」その13


「え、もしかしたら、すすもある意味オタクかもにゃん?」

先週のパリでのライオンとの打ち合わせでは、タヌキと初対面の時の話で大いに盛り上がりました。アライグマのことを「なぜか僕より英語がうまい奴」と言うのには爆笑でした。アライグマが「ライオンのフランス語なまりの英語がわかりにくくて困った」と言っていた・・・と報告するのはやめておきました。 


ランチへ行く前に、ライオンが古巣のひょうたん雑誌社へ案内してくれました。学生の頃からここでアルバイトをし、めきめきと才覚を表し(ライオン談)今のせっけん会社を作って独立したのだそうです。この雑誌社はひょうたん業界ではフランスで一番の売上を誇るので(ライオン談)是非編集長たちに紹介しよう、僕って親切(ライオン談)。 


思った通り、そこはオタク動物の巣窟とでも言うべきか。道で会って時間を聞かれても、無視して通り過ぎたくなるような動物たちがいっぱいでした。ともかくうちのひょうたんを雑誌でどんどん取り上げてくれるというのですから、オタクだろうがなんだろうが知っちゃこっちゃない、いい動物たち、コアラ感謝です。 


その後ライオンとビストロへ。コアラはレンズ豆とベーコンの塊とサラダ、ライオンはチキンか何か。ライオンはいつも通り、わさわさとすごいスピードで食べながら喋るので、こちらは味わって食べるなんて至難の業です。結局半分くらいしか食べられませんでした。デザートにはサフランのクリーム・ブリュレ。これがたまらなく美味しくて、コアラ唸りまくり。 


ライオンにさよならしてから、今度は大好きなサン・ルイ島へ向かいました。タヌキチームの副業のかたつむり市場調査です。その目当ての店はとてもシックで、中にかたつむりや石ころが、ゼロのたくさん付いたチケットとともに綺麗に並んでいました。店員と少し話をして、かたつむり展覧会情報などを手にして、満足して店を出ました。 


シャーベットの美味しいベルティヨン前で10秒ほど心迷いましたが、やめておきました。一匹じゃつまらないし、雨だし、混んでいたし。 


そこから小雨の降りそぼる中「やっぱり食べればよかったなぁ」とシャーベットのことばかり考えながらてくてく歩いて、 


地図もなしにてくてく歩いて、 



どんどんどんどん歩いても 、あるはずのメトロの入り口が全く見つからず・・・。方向感覚ゼロなのですから、勘だけで歩いちゃいけません。 


曇っためがねで、通りがかりの親切そうなおばさん動物に道を訊いて、やっと地下にもぐることができました。 


駅に早めに着いたので、お気に入りのスターバックスへ。ぼんやりと外を眺めながらじゅるじゅるとマンゴー・パッションを。 


帰りの車内で時間かけてレポート作成。果たしてタヌキ族は読んでくれるのやら。


今週に入って仕事はますます忙しく、天気が良いのにパソコンにかじりつきの毎日です。目は相変わらずひくひく。 


そして、今度、スペインの新たな動物が取引をしてくれることになり、とても嬉しいコアラ。業界では有名な雑誌社なので、大変だけどがんばって良かったなぁとしみじみ。仕事は大変なのが当たり前、そうそう、前進あるのみです。 


カワウソは相変わらず、毎夕「おっは~」とスカイプに登場。ひとしきりコアラに愚痴って満足して、どういう神経の動物なんでしょうか。アライグマの話によると、月末を待たずに解雇されるそうですが・・・。あぁ、また一波乱ありそうな予感。つづく


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2022年8月29日月曜日

昔話「コアラのひょうたん売り」その12


すす「このお話、長いから、終わったら起こしてにゃん」

フランスのライオン、先週日本へ行っておりました。 毎年3回ほどは訪れていますが、今回は東京国際アニメフェスティバルを主催した東京都からの招待でした。


旅立つ直前に知らせて来たので、 

「ライオンさんったら、もうちっと早く言ってくだされば。会社に連絡をして誰かに会っていただけたでしょうに。」 

と、コアラがぶつぶつ言うと 

「英語が出来る人がいないんじゃないかと思ったし・・・ 

と、申し訳なさそうに仰るので 

「いえ、いえ、うちには日米種のアライグマが居ますから。」 

するとライオンさん、勇気が出た様で、 

「春分の日で良ければスケジュールが空いているのですが。」 


これを逃がしてはコアラが廃る。 

深夜でしたが、すぐにアライグマにスカイプしてみました。 ビールで出来上がっていたアライグマはご機嫌で、 

「へぇ、来るんだ、ライオン。そりゃ会わなくちゃ。」 

「ホテルは大崎だから、じゃその辺まで行ける?」 

「オッケー、ライオンちゃんに連絡入れてみるね。」 


念のため、タヌキにもメールを入れました。 

すると、どうしたことでしょう。突然目が覚めたご様子で、 

「それでは一層のこと、会社まで来ていただきましょう。」 

などと言い出しました。 

ライオンの方も喜んで、 

「はい、はい、参りましょう。」 


これはライオンにとって良いチャンス。 会ってもらえれば、性格や真面目な仕事ぶりをタヌキ族にわかってもらえ、今後の商談を進める上でも、やりやすくなることは間違いなし。 


そしてやり手のライオン、時間足らずの面談で、かなり好印象を与えた模様です。アライグマによると、タヌキは終始にこにこで、 

「これからはフランス主流で、ライオンさんにはうんとがんばってもらいましょう。」と言っていたそうであります。コアラ経由で伝えていたライオンのお願いごとには耳も貸さず、鼻にも引っ掛けなかったくせに、彼を目の前にした途端「はい、はい、何でもオッケー。やりましょ、やりましょ。」と終始頭を縦に振っていたそうです。

写真と登場人物とは一切関係ありません)


そんなわけで、タヌキ族、どうやらアメリカは見限って、フランスを中心にヨーロッパでがんばろうという気分になっているらしいです。 


ですからコアラの首、まだつながる雲行きです。一方でアメリカのカワウソは月いっぱいとのことですが、相変わらずまだ本人は知らされていません。彼のやっていた仕事が徐々にコアラへ回ってくるようになり、ますます忙しくなって来ました。前日カワウソに「どうしてこういうことになっているのか。」といろいろ訊かれて困りました。その疑問はもっともです。ですがコアラが何か言うわけにはいかないので、「すみません、私は与えられた仕事をやっているだけです。会社の方に訊いてくださいませんか?」の一点張り。 


今朝受信箱を開くと、カワウソからの丁寧な問い合わせメールに、アライグマがばっさり返信していました。 

「なぜこういう状況か?自問自答してください。」 


あぁ、仕事環境も人間関係も最低でおかしくなってしまいそうですが、気にしない、気にしない。数日前から左まぶたがひくひく痙攣するんですが、気にしない、気にしない、楽しく仕事しましょう。


木曜日は、突如タヌキのお気に入り動物になったライオンと打ち合わせ。パリは土砂降りの予報です・・・気にしない、気にしない。つづく


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2022年8月28日日曜日

煤(すす)と暮らす〜母のキルト強し!ベットがりがり対策

私たちの寝室が大好きな煤(すす)。日中入るのは構わないけれど、ふわふわするベットの羽毛掛け布団の上をぴょんぴょん飛び回り、がりがり爪を立てて遊び、とうとう布団カバーの一部を裂いてしました(泣)

これに懲り、その後しばらくはドアを閉め切って、すすを出入り禁止にしていたのですが、ずっとこのままにするわけにもいかず・・・。

そこで押し入れから引っ張り出して来たのが、亡き母のお手製キルトです。



おそらく40年程前、母が趣味でちくちくと手縫いしたパッチワークの大作で、細かく丁寧な縫い目には娘ながら見惚れてしまいます。

よく見ると、小学生の時に作ってもらったスカートやワンピースの生地が使われていて、実に懐かしいのです。

大切な一点物のキルトではありますが、引き出しにしまっておくよりは良いので、クリーニングに出して日常使いすることに。私たちはセミダブルベットを二台くっつけて寝ているので、いささかサイズは合いませんが、それでもいい感じ。

丈夫なので、これですすにがりがりやられても心配ありません。


「にゃにこれ?もうふわふわしないにゃん!」


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2022年8月27日土曜日

昔話「コアラのひょうたん売り」その11


「すすの耳はうさぎの耳」にゃん!

コアラ、ここのところとても忙しいのです。 本業はもちろんなのですが、人生相談の窓口のようなことになっています。というよりは、「王様の耳はロバの耳」の穴の役とでも言った方が良いでしょうか。 


結論から言うと、どうやら期待の星だったカワウソは首になるようです。そのいい加減さに耐え切れず、本社のアライグマが大爆発し「あいつを辞めさせないのなら俺が辞める!」と啖呵を切ったそうです。それでようやくタヌキが目を覚まし、きょろきょろと見回して現状を把握したようです。ただし、まだカワウソは知りません。 


温厚だとばかり思っていたアライグマの口から「あの馬鹿野郎、ぶっ殺してやる。」などという言葉を聞くことになろうとは思いもしませんでした。コアラが「まぁまぁ、そこまで言わんでも。」と宥めると「じゃ、半殺しにしておきましょう。」と来ましたよ。動物の性格、見かけで判断してはいけませんね。 


一方、カワウソはといえば、どうしてそんなにアライグマが怒っているのか、今ひとつぴんと来ない様子で、あんなことを言われた、僕悪くない、理由はこうなのに・・・と、くどくどメッセージを送って来ます。コアラと電話で話をしたいと言われるのですが、首になると知ってしまった以上、なんとも気まずいのでチャットだけで勘弁してもらっています。 


二匹とも、それぞれの怒りや無念さを誰かに聞いてもらいたいという、そういう気持ちなのはよくわかります。コアラにもそういうことがあります。ですが、自分の考えを話す相手にも認めさせようとゴリ押しするのはやめてほしいです。 


アライグマはコアラに

「ほんとだぜ、あの親父、ぶっ殺してやりたい。あんなの首で当然だ。アライグマさん、あなたは間違っていない。」と言わせたい。 


カワウソはコアラに

「本当ですね、アライグマはヒドイ、あれはいじめです。どうしてそんなことを言われなくてはならないのでしょう。カワウソさん、あなたは間違っていません。」と言わせたい。 


二匹とも、それをコアラに言わせたいがために、毎日毎日うだうだうだうだと同じことを言って来ます。やめてください。コアラは口が裂けても同調しません。 つづく


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2022年8月26日金曜日

薪だらけの家の冬じたく〜薪の搬入

ようやく暑さが和らぎ、ちらほらとトンボが舞い、夕方の空には幻想的なうろこ雲・・・秋の気配が漂って参りました。秋は、私が青森県で一番好きな季節なのですが、うかうかとしているとあっという間に冬になってしまいます。

昨日、我らが薪だらけの家に、おいらせ町の斉藤興業さんから今冬用の薪が届きました。うちの薪ストーブのサイズに合わせて、あらかじめ30cmにカットしてくださっているナラなので素晴らしい!この冬は、フィリップがくさびでトンカンやらずに済みます。

斉藤興業さんの薪は、品質が良い上このあたりでは一番安く、親切丁寧に応対してくださるので、遠くは蓬田村からも注文が入り配達なさるのだとか。今回のうちの薪は820kg、しっかりと乾燥している薪で、しかも希望のサイズに切っていただけて、もう申し分ございません。

さて、無事受け取った薪ですが、室内に片付けるのもひと仕事。フィリップが、玄関内にあらかじめ自分で設置した薪棚や、サロンの家具などに、4時間ほどかけてすっかり綺麗に納めてくれました。

煤(すす)は玄関は出入り禁止ですが、サロンの方で興味津々、あちこち嗅ぎ回っておりましたよ。

美しい紅葉の季節の後には薪ストーブの季節が。今年は冬も楽しみでなりません。

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2022年8月25日木曜日

昔話「コアラのひょうたん売り」その10


すす「いったいいつまでこのお話は続くのにゃん?」

コアラ、タヌキに内緒で日本へ帰巣し、2週間ほど息抜きをしておりました。 


キャンセル不可なJAL航空券を予約したのは前年9月末。 「この調子なら、半年後にはどうせひょうたん会社は首になっているだろう。」と安易に申し込んだのです。ところが、意外にも首はずっとつながったまま。 


誤算に一瞬たじろいだものの、すぐに開き直るのが脳天気なコアラ。「毎日定刻に連絡を取り、きちんとやるべき仕事をすれば何処に居ようと文句はあるまい。」と考え、「ま、面倒なことになるので、タヌキ一族には言わなくてもよかろう。」と決めました。タヌキはいつも寝た振りをして返事をくれませんが、こういうことになると即座に大騒ぎする動物ですから。 


この大胆不敵なコアラの無断帰巣中には、 

ー急にパリへ出張に行けという指示が出る

ーホテルのネット回線が故障して連絡が取れなくなる

ー関東でタヌキ社員にばったり遭遇してしまう

ーパソコンを壊してしまう、または盗まれる

などの危険満載、スリル満点。 


上記のようなことが実際に起こった場合の対策として考えていたことは「死んだふりをする」でありましたが、何の問題もなく、死ぬ必要もありませんでした。


さて、業界には相変わらず冷たい風が吹き荒れておりましたが、コアラのクライアントたち、フランスのライオン、イタリアのトラ、ベルギーのシカは毎回きちんと注文をくれていました。


ところがアメリカのカワウソ、彼の市場の方はとても大変なことに。


まず、アメリカの大問屋が、数種類のひょうたん注文を突然キャンセル。以降、アメリカ市場からは、ほとんど注文が入らなくなりました。 


タヌキのひょうたんは受注限定生産ですから、このようにキャンセルをされると大変困ります。クライアントに払えないからもういらないと言われ、カワウソは半泣きでした。本来ならこういうキャンセルは不可能なのですが、なぜか受け入れざるを得なかったようです。 


見殺しにできなかったコアラは、ライオン、トラ、シカたちに助けを求めました。無理のないよう、いくつかでも追加注文したいものがあればとそれぞれに打診すると、イタリアのトラから「2種類追加注文しチャオ!」と返事が来ました。ライオンも一種類の人気ひょうたんを追加注文してくれそうな気配でした。本当にありがとう、みんな! 


カワウソはこの吉報に大喜び。それから「実は香港の方もさぁ、今回のひょうたん、注文ゼロなんだよね。」なんて、楽しそうに語るではないですか。 


「だいたいさぁ、あれじゃ売れないよ、あのひょうたんじゃ。人気ないじゃん。」なんて言うので、コアラはヨーロッパの受注数を口頭で伝えました。すると「えっ!ほんと?随分みんな無理しちゃってるんじゃな~い。大丈夫なのかねぇ。在庫抱えることになるんじゃないかなぁ。」などと失礼なことを。


その後すぐに私生活をべらべらと語り始め、挙句の果てには、月末から10日ほど、会社に内緒で入院するなどと言い出す始末。延々と聞かされたコアラ「カワウソさん、仕事の話が他にないのなら・・・」と、ばっさり話を切らせて頂きました。 


アメリカもだめ、香港もだめで、どうするつもりだ、アメリカ・アジア担当者。どうにかならんのか、この動物は。なんとか立て直しができないものなのか。 


写真と登場人物とは一切関係ありません)


しかしカワウソとの電話の後、コアラの頭をよぎったのは、友達のブログで読んだこちらのジョークです。 


**************** 


A la ferme, le cheval est malade. Le vétérinaire dit au paysan : «Je vais lui injecter un remède, mais si dans trois jours il n’est pas remis, il faudra l’abattre.» 


ある農場に一頭の病気の馬が居ました。獣医は農民に言いました。 

「馬に注射しましょう。でももし3日経っても回復しないようなら、射殺するしかないでしょう。」 


Le cochon qui a tout entendu, dit au cheval : «Lève toi !» 

Mais le cheval est trop fatigué. 


この会話を全て聞いていた豚、馬に「起き上がれよ!」と言いました。 

でも馬は疲れすぎていて起き上がれません。 


Le deuxième jour le cochon dit : «Lève toi vite !» 

Le cheval est toujours aussi fatigué. 


2日目にも豚は「早く起き上がれよ!」と言いました。 

馬は相変わらず疲れていて起き上がれません。 


Le troisième jour le cochon dit : «Lève toi sinon ils vont t’abattre !» 

Alors dans un dernier effort, le cheval se lève.. 


3日目に豚は「起き上がれよ、さもないと射殺されてしまうんだぞ!」 

すると馬は最後の力を振り絞って起き上がりました。 


Heureux, le paysan dit : «Faut fêter ça: on tue le cochon !» 


農民は大喜び。 

そして言いました。「お祝いをしなくては!さぁ、豚を絞め殺そう!」 


********************* 


くわばら、くわばら、ブタの二の舞にならぬよう気をつけようと身震いをするコアラでありました。つづく


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2022年8月24日水曜日

昔話「コアラのひょうたん売り」その9

すす「電車はもうこりごりにゃん!横浜から三沢まで、めっちゃ長かったにゃん!」

火曜日はパリのライオンとの打ち合わせ。コアラ、予定通り朝46分シェルブール発の列車に乗り込みました。 パリまでは時間。ライオンとは12時に事務所で待ち合わせ、ランチを一緒に取る約束だったので、余裕なはずでした。 


ところがパリのだいぶ手前でフランス国鉄め、「サン・ラザール駅でトラブル発生、次の駅で止まります。パリへの交通網は遮断されました。」などとたわけたことをアナウンス。車内の動物たちは「またかよ、うんざりだよ!」「ふざけんな、フランス国鉄!」などと罵倒しながら、一斉に携帯電話で連絡を取り始めました。コアラもつられて急いでライオンにメール。「おはよう、ライオンさん。私の電車、止まります。じゃまた。」 


どうなることやらと思いつつ、身支度をして、次の駅で皆と一緒に降りようとすると、その駅から乗って来る動物たちが。おや?乗り込んで来た先頭の動物が「なんだか、このまま行くらしいですよ。」と言うと、降りようとしていた先頭の動物が「へ?そうなの?サン・ラザール駅まで行くっちゅうことかね?」すると乗り込んで来た動物「知りませんよ、あたしゃ。フランス国鉄に聞いてくださいよ、そういうことは!」と突然逆切れ。コアラ、爆笑しそうになりましたが、殴られそうなのでがまんしました。 


ほんじゃとまたおとなしく席に落ち着くと、「サン・ラザール駅でトラブル発生、この列車はモンパルナス駅へ到着します。」とのアナウンス。本当かいなと思いつつも、急いでライオンにメール。「ライオンさん、私の電車はモンパルナスへ。じゃまた。」 


モンパルナス駅ってどの辺だったかなぁ、ライオンの事務所までどの位かかるだろう・・・。そんなことを心配しながら、暇なので乗客観察。やたらいらいらと貧乏揺すりをする動物や、大声でフランス国鉄の悪口を言い合う動物たち、腕を組んで身動きもせずにじっと前を見つめ続けている動物夫婦など。 


そのうちまた耳障りなアナウンス。「この列車は予定通りサン・ラザール駅へ到着します。」ですと。するとまぁ、乗客のみなさん、大喜びでフランス国鉄を褒め称え始め・・・かなり単純な動物たちでありました。 


そうしてなんとか、サン・ラザール駅に一時間ほど遅れて到着。一部の出口は閉鎖され、警官動物たちがずらりと並び、かなり物騒な雰囲気。急いでライオンに電話をかけ、待ち合わせに30分ほど遅れる旨伝えてメトロに乗り込みました。 


打ち合わせランチは美味しく和やかに。情報交換をしながら、サーモンのグリル、サラダ、セップのリゾットを食べてコアラ大満足でした。それにしてもライオンの食べ方は「ワイルド」。「もうちょっとゆっくり食べれば?誰も横取りしないし。」とか「パン粉がセーターの袖についてるよ」とか言いたかったのですが、自分の息子じゃないのでやめておきました。 


レストランを出たのは14時頃。帰りの列車は15時過ぎでしたが、あの駅がその後どういうことになっているやらと、急いで戻りました。 


すると、サン・ラザール駅の正面入り口はシャッターが下りて閉鎖されており、

別の入り口から入ってみると、行き場を失った動物たちでこんな具合に。 



憎きフランス国鉄係員に訊ねると、「18時頃まで閉鎖するので、まぁコーヒーを飲んだりショッピングでもして時間をつぶしてまた来てみたら?」ですと。笑顔のこの動物にとび蹴りしたろかと思いましたが、 こちらの動物たちの手前、おとなしくしておきました。 



じたばたしても仕方がない。こんな時に切り替えの早いコアラは、早速ショッピングへ。目的はサムソナイトのスーツケースであります。うかうかとしているうちに、日本への旅行はもうすぐ。持っているサムソナイトはかれこれ20年も使っている代物で、馬鹿みたいに頑丈ではありますが、大変重い上引っ張っても言うことを聞かないので、この機会に是非買い換えたいと思っていたのです。 


プランタンのサムソナイト売り場で5種類ほどを開けてみたり、引っ張ってみたりした結果、超軽量という比較的新しいモデルが気に入って購入しました。30%オフでしたよ、バンザイ。サムソナイトは絶対にバーゲンをしないと断言するシェルブールのカバン屋店主の口車に乗って買わずに待って幸いでした。 

その後、空っぽのやたら軽いサムソナイトをガラガラ言わせながら、サン・ラザール駅へ偵察に戻ってみました。すると、どの入り口も完全に閉鎖され、問い合わせようにも職員一人居ません。隅っこの方にふざけた言い訳と共に、「モン・パルナス駅より代替列車の出る可能性もあり。」との貼紙を発見しました。 


大きく一つため息をつき、メトロでモン・パルナス駅へ。問い合わせ窓口に並び、そこからマンテ・ラ・ジョリ駅まで行き、そこで乗り換えてシェルブールまでの臨時列車に乗るよう教えられました。 


マンテ・ラ・ジョリ駅までの列車は最悪。怪しい乗客で満杯な上、車内の隅で吐いている酔っ払い動物が居ました。 


ようやく車外に出た時にはほっとしましたが、それから待つこと1時間あまり。無事シェルブールの自宅へ戻った時には23時になっていました。


そんなこんなで、コアラは少々疲れ気味であります。アメリカのカワウソは相変わらず、じゃんじゃん電話して来ては泣き言を吐いています。なんだかいろいろとややこしいことになって来ていますが、まぁここががんばりどきでしょうか。 


ながながと綴りましたが、書きたかったことはただ一つ、「フランス国鉄なんて嫌いだ!」つづく


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2022年8月23日火曜日

昔話「コアラのひょうたん売り」その8

「八方塞がりでどこへも行けないにゃん!すすも出張行きたいにゃん!」

年明け早々、週に渡ってひょうたん受注締め切りがありました。またもやフランスのライオンがトップであります。ヨーロッパでは他に、ベルギーのシカとイタリアのトラが、律儀に注文してくれました。次回からはドイツのシマウマも仲間入りする予定です。この不景気にありがたやであります。 


さて、フランスにはひょうたん業界で有名な大問屋スカンクが居ます。このスカンクはかつて、その規模と流通ルートを使ってひょうたんを大量に仕入れ、激安で卸していました。むちゃくちゃなことをするので、ライオンをはじめ、みんなから嫌われていました。コアラもみんなから悪口を聞いていたので、そういう悪党とは決して関わるまいと思っていました。 


ところが、アメリカのカワウソがこのスカンクチームの一人と「昔からの友達」なのだそうで、「コアラさんに是非挨拶に行ってもらいましょう。」などととんでもないことを抜かし、タヌキまで「えぇ、是非行ってもらいましょう。」と寝ぼけた相槌を打ち。そんなわけでコアラは、この鼻つまみ者たちに会いにルーアンまで行くはめに。


朝4時起きをして、早朝の列車でカンまで。ルーアン行きのおんぼろ列車に乗り換えたところ、こいつがまた、ごうごうと耳障りな音を発しながら時速30kmで進むのですからたまりません。こんな速度でルーアンまでたどり着くのだろうかと心配し始めた頃「故障のため、次の駅で停止します」というアナウンスが。 


で、本当に次の駅でびたっと止まってしまい、全員下ろされました。 

不機嫌な動物たちに「写真なんか撮ってんじゃねぇよ」という顔で睨まれたコアラ。


それから急いで階段を駆け下りて列車を乗り換え、終点リジューの駅で次の列車待ちです。 


やっと来た列車が、カンから乗ったあのおんぼろ列車だったのには腰が抜けそうになりました。どうやら故障は直ったようです。


ルーアン駅にたどり着き、スカンクのところまではタクシーで25分。着いたのは10時半ですから、時間半もかかったことになります。 


スカンクは「あなたですか、コアラさん、わたしの商売に横やりを入れているのは。」と、終始不機嫌でした。


その子分の、カワウソの「昔からの友達」は日仏ハーフだそうで、日本語、フランス語、英語が堪能でした。フランス育成だけあって、大変はっきりとした性格でした。初対面のコアラに業界話をぶちまけるので、コアラはぎょっとするやら感心するやら。さぞや顔が七変化していたことでしょう。 


そしてあろうことか、自分はカワウソの「昔からの友達」なんかでは決してないと断言するのでした。そう思われるのが大変迷惑な様で、この業界でのカワウソの評判の悪さなどを並べ立て、最後には「コアラさん、カワウソさんには要注意ですよ。タヌキさんにもそうお伝えください。」そして笑顔でルーアンの中心街まで車で送ってくれました。 


何はともあれ、コアラは任務を遂行したのでほっとしました。帰りの列車までの時間半あまりをつぶすべく、まず向かったのがプランタン。その日から始まった冬の大バーゲンで、店内は黒山の動物だかり。みんな殺気立っていましたよ。 


店内に感じの良いカフェ・レストランがあるのを見つけました。 

どれもこれも美味しそうなメニュー。迷いに迷って選んだのが、こちら、生ハムとチーズ、大好物のアーティチョークのオープン・サンド。 

お腹を満たした後は街散策。地図がないのでどこに何があるやらわからぬまま、零下のルーアンをあてどもなくうろうろ。 







いやはやコアラ、何時間もよく歩きました。最後には疲れ果て、駅のそばのカフェにへたり込み、カフェオレ杯で時間近く時間つぶし。 


やっと帰りの列車に乗り込み、終点カンで降りてシェルブールまでの乗り換え列車に乗ろうとホームへ行くと、「20分の遅れ」との表示。寒い待合場でじっと座って待っているとその表示が「40分の遅れ」になり、「60分」の遅れになり、「80分の遅れ」になり、結局時間半待ってやっと来ました。行きも帰りも、やってくれるじゃないの、フランス国鉄さんよ!


結局、往復時間半もかかったルーアン出張。読んでいるみなさんも、長すぎてさぞお疲れのことでしょう。この出張は意味があったのか、今後どう発展するのやら。翌朝急いでレポートを送りましたが、だれかさんは相変わらずたぬき寝入り。つづく


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