一連のお披露目の後、太夫と呼ばれる踊り手たちが、今まで被っていた色鮮やかな烏帽子を脱ぎました。田中家が明治時代より守り続けて来た烏帽子を被って踊るためです。これを烏帽子を「遊ばせる」と言うそうです。また、えんぶりを舞うことを「えんぶりを摺(す)る」と言うことを知りました。
みなさんが神棚とその下に飾られた烏帽子に向かってご挨拶をなさってから手に取り、うやうやしく被る様子を、フィリップも神妙な面持ちで見守っていました。
豊作を祈願し、大地を揺さぶるような太夫たちの激しい動き、太鼓や笛などの独特のリズムと歌い手の声・・・歴史を感じさせられる烏帽子での摺りは、また格別素晴らしいものに思えました。
こちらの映像で、お囃子と共にお楽しみ頂くことができます。(PCでご覧の場合)
また、大人たちによる祝福芸 もバラエティに富み、とても楽しかったです。フィリップは日本語の口上を理解することはできませんが、みなさんの達者な芸やおどけたしぐさを見て大喜びしていました。
拍手喝采と共にお座敷えんぶりが終わると、田中家のみなさんによるおもてなしの宴会が始まりました。
私たちも、見学にいらっしゃった方たちと共にテーブルを囲み、みなさんと美味しいお料理と数種類のお酒を堪能させて頂きました。
お酒の中では、特にこちらが美味しかったですよ。
途中、お帰りになる福地村福田上えんぶり組のみなさんをお見送りしました。
その後も、みなさんとの愉快な宴会は続きました。充子さんによると、用意なさった50人分の食事は最終的には綺麗になくなったそうです。一升瓶は全部で何本空いたのでしょうか。田中家のみなさんのご招待とおもてなしに大感謝の晩でした。ひろしさんと充子さんのお母様には、東京から田中家へお嫁にいらっしゃった時のことなど、興味深い昔話を伺うことが出来て嬉しかったです。
そうそう、田中家の愛猫ゴロゾちゃんのことを忘れてはいけません。一時具合が悪かったそうですが、元気になっていて安心しました。
去年の夏にGalleryたなか1890へ伺ったことをきっかけに、和勇さん・充子さんご夫妻をはじめ、たくさんの幸せな出会いに恵まれました。代行でのほろ酔い帰宅の際に「あぁ、これぞ日本という素晴らしい晩だったね」と感激していたフィリップの笑顔を思い出す、火曜日の朝であります。
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