「にゃんとライオンが代金滞納?そりゃ困ったにゃん!」
前回のライオンとの打ち合わせから3週間・・・コアラにとって、なんとも憂鬱な毎日でありました。というのも、ライオンがひょうたん代金を滞納し、タヌキ一族からやんやと催促の嵐が続いていたからです。
タヌキは薄目を開けて、くどくど長いメールを送って来ました。要約すると「なぜライオンは払わない?コアラさん、甘く見られてるんでないの?タヌキ一族で問題になっているので、早く何とかしなさい。」
ライオン、いつもの様にきちんと払いたいのはやまやまでしたが、彼の大口顧客が払い込みをしてくれないので、にっちもさっちも行かない状況にありました。「15日までに入金があるはずです。そしたらすぐ振込みますので、どうぞもう少し待ってください。最悪、7月の初めになってしまうかもしれませんが、それまでには必ず全額払いますからお許しください。」このライオンのメッセージを伝えましたが、「とにかく何日に払うか、きちんと約束させんかい。」と強引なタヌキなのでした。
忙しいライオンはなかなかつかまらず、経理やひょうたん担当動物たちに何度も電話をして、どうにかならないのかとプッシュするのは本当に気分の悪いことでした。
「払えない」という動物のお財布を取り上げ、本当かどうかしつこく逆さに振ってみるような仕事です。やっと連絡のついたライオンも、やはり同じ説明をするばかり。コアラとしても状況はわかるので、信じて待つしかなかったのです。
そんなある午後、アライグマから電話がかかって来ました。日本は深夜で、かなり酔っ払っていました。ライオンの話からタヌキ一族の話になり、「海外営業部長は使えない」「タヌキ社長はぬけている」「あのアシスタントは八方美人」など、さんざん社内の悪口を言いまくっていました。かなりストレスがたまっているご様子。翌日、電話で何を言ったか記憶がないと言うのには呆れました。きっと、言ったことを後悔して忘れたいのでしょう。実は録音していたと脅してみましょうか。
(写真と登場人物とは一切関係ありません)
そして先日のこと。またタヌキから嫌味メールが来ました。要約すると「取締役会でコアラの雇用継続決定、給与交渉はライオン問題解決後。」です。首がつながることになったのはめでたいですが、こんな風にコアラ給与交渉にかかるたぬき。「がんばってくれていて感謝している」などと書きながら、たまたま今回滞納してしまっているライオンのことを論って、何とかこのまま安くコアラを使い続けようという魂胆が見え見えです。
その後ライオンは3分の2の支払いを済ませました。これでタヌキ一族からの執拗な催促は一旦収まり、やれやれほっとしました。残金も近いうちに振り込まれることでしょう。
そうこうしているうちに、ひょうたん業界大イベントJapan Expo が近づいています。参加するライオンだけではなく、イタリアのトラからも新作ひょうたんの貸し出し依頼があり、PRしてもらう予定です。また、アメリカのペンギンからコンタクトがあり、会場で落ち合うことになりました。実は近いうちにライオンは、このペンギンのクールミント業界にも乗り出すことになっています。狭い業界なので、あちこちごちゃごちゃといろいろなつながりがあります。なんだか面白いことになって来ました。
Japan Expoへはコアラの夫、ゾウの運転で向かいます。友達のネコとオオカミ夫妻も一緒なので、仕事とはいえ、賑やかで楽しい2泊3日になりそう。パリの友達キリンも仕事をさぼって会場へ来てくれるそうです。さて、オタク動物たちの大巣窟で、どんな冒険が待っていることやら。つづく
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