すす「すすのお兄ちゃん、お姉ちゃんたちは今ごろどこでどうしてるのかにゃん」
2006年01月24日
昨日の午後は、昨年シェルブールAccueil スペイン語のクラスで一緒だったマリー・アントワネットにお呼ばれ。彼女のお宅は古い石造りの豪邸で、天井には太い木の梁が渡っていた。サロンに通されると、正面に大きな暖炉があり、ごろごろと大きい薪がくべられ、赤々と揺れる炎を見ているだけで幸せな気分に。ちなみに彼女は推定65歳位。20年ほど前に数年日本に住んだことがあり、高級そうな古い箪笥、硯箱、火鉢、墨絵などが何気なく飾られていた。
さて、そこにスペイン語の先生ハモナが来ていたのだけれど、彼女の身振り手振りを交えた息子たちについてのお話はとても興味深いものだった。
今は16歳になるその息子たち。一卵性双生児なのだけれど、彼女は妊娠3ヶ月まで気づかなかったそう。というのも、彼女は腎臓が後部ではなく前部についている特異体質だそうで、そのせいでいつもお腹がぽっこりしているから。(そこで彼女は戸惑うことなくセーターを捲って見せた。)
そのせいでこの双子たち、ママのお腹の中で、普通の一卵性双生児よりもさらに窮屈な思いをしたらしい。ママのおへそのそばの子は良いけれど、その隣の子はカタワレにいつも押されるわ、蹴られるわ、栄養はうまく渡って来ないわと出生前から苦労が耐えなかった・・・。
その結果、どうなったか?蹴っていた弟はママのお腹を出ても兄を蹴り、追いかけまわしていじめ、兄は這って逃げ回っていたというのだ!小学生になっても弟は兄の足をひっぱることしか考えず、兄はいつも被害を蒙り、担任の先生が根をあげて、別々のクラスにしたとのこと。
「さすがに今は変わったでしょう?」と訊くとハモナはため息をつきながらクビを横に振ったのだった。本能は変わらないということらしい。
この話を聞かせると、フィリップは「悲しい話じゃん。」と言った。確かにちょっと悲しいけれど、私には「神秘的で興味深い話」。でも何しろ、自分はお腹でひとり、ゆったりと大きく育つことができて良かったな~と母に感謝した午後であった。
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