2008年03月26日
昨日は久しぶりにバルバラが日本語のレッスンにやって来た。日本語を学ぼうとするバルバラの姿勢は、本当に真面目で真剣だ。
彼女はエアー・フランスの客室乗務員で、アジア路線が担当。6月に行われる社内テストに合格しないと、他の路線を飛ばなくてはならなくなるかもしれないそうで、絶対にそれは避けたいのだそうだ。いつの日にか「日本語が話せます」という証である日本国旗のバッチを胸につけて搭乗するのが夢だそうで、元気にがんばっている。そんな夢のお手伝いができるのならと、私もプリント作りを再開、数ヶ月ぶりのレッスンに張り切った。
バルバラは今までにやった10課のほとんどを頭に叩き込んでおり、さらには新しい単語やフレーズも知っているようだった。感心して、「何か特別にやっているの?」と聞くと、照れくさそうに「簡単な日本語」というCDを買って毎日車の中で聴いているのだと教えてくれた。
「意味はわからなくてもさ、毎日毎日何度も聴いていると耳に残って、自然と口から出てくるようになるものなのよね。」と言う。そりゃそうだろうな。偉いよなぁ。
「日本語の響きってさ、本当に綺麗で耳に心地よいのよね。例えば今一番気に入っているフレーズがね・・・。絶対マミィは笑うわ、絶対。でも聞いて、ちゃんと発音できているか言ってね。じゃ、言うよ・・・。」
そう言って息を吸い込み、すらすらと彼女が言ったのは
「ジョセイヨウノオテアライ」
歌うようにリズムよく、楽しそうにもう一度、
「ジョセイヨウノオテアライ」
そう繰り返して「ね、ね、どう?ちゃんと言えている?」と真剣に聞く彼女。私は爆笑しながらも「言えている、言えている、すごく自然に正しく発音できている!」と褒めた。すると彼女はとても満足そうに頷き、それがまた私には可笑しくて、涙を流して笑った。
そしてバルバラ「でもマミィ、あたしこのフレーズが本当に好きなんだけどさ、使い道がないのが残念なのよね。ほら、機内じゃトイレは男女兼用じゃない?」と嘆いた。「オキャクサマ、コチラ、ジョセイヨウノオテアライデゴザイマス。」と言いたかったらしい。「まぁいいわ、『コチラ、ニホンチャデゴザイマス』も悪くないもの」と言うのでまた笑った。あぁ、お腹が痛かった。
そんな彼女をへらへらと笑っていないで、私も見習わなくてはいけないな。日々勉強だよ、がんばらなくては・・・と10秒反省した。そして矛先を、日本語をほぼ放り投げているフィへと向けた。仕事から戻った彼に、バルバラがいかに真面目にがんばっているかをとっくりと聞かせ、「もう、どうなのよ、それに引き換えあなたは!」と言うと、にっこり笑って「イタダキマス、スミマセン、アリガトウゴザイマース!」
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