2013年9月2日月曜日

ドゥース・フランス 優しきフランス

ご存知の方も多いと思いますが、日本で個人事業を始めるためには、印鑑、住民票、届出用紙を税務署に提出するだけです。驚く程に簡単な手続きではありますが、その中で私が難しいと感じたのが、事業名の命名です。

「日本で個人事業を起こして、夢を叶えよう!」と決めた頃から、どんな名前にしようかと二人で話し合ったものです。お互いに思いつくままに名前を挙げあうのですが、どうもしっくり来ません。しまいには喧嘩になり、二人でそっぽを向いて黙り込むということがしばしばありました。

フィリップが挙げた名前の中に、「エスタミネ」というのがありました。ちょっとおつまみをつつきながら一杯飲むことのできる、小さなカフェや居酒屋を指すのだそうです。発音し易いし、私たちが目指していることに近いので、とても良いと思ったのですが、最終的には候補から外すこととなりました。意味がわかりにくい名前では、みなさんに馴染んでもらえないだろうと考えたからです。また、同名のベルギーのビールが存在することもネックとなりました。

そのうちに、音楽が好きなので、曲名からつけるのはどうかと考るようになりました。事業がフランスに関連しているということを、ひと目でわかってもらえるよう、「フランス」という単語が入っているものにしたいとも思いました。ある日、「『フランス』が付く名曲と言ったらなに?」とフィリップに聞くと、すぐさま「ドゥース・フランス」という曲名とメロディが、彼の口から出て来たのです。

この曲は、フランスのシャンソン歌手シャルル・トレネ自身が、1943年に自ら作詞したのだそうです。いわばフランスの懐メロです。ちょっと聴いてみませんか?

慣れ親しんだ想い出が
記憶に甦る
小学生だった頃の
黒い上っ張りが目に浮かぶ
学校への行き帰りに
僕は声を張り上げて歌っていた
歌詞の無い歌
昔の古いシャンソン
 
優しいフランス
僕の幼年時代の愛しい国
憂う事も無く心地よく育まれ
いつもあなたを心に思っていた!
同じ年頃の子供たちはみんな
僕と同じ幸せを味わっていた
つつましい家々と教会の鐘楼のある僕の村
そう、僕はあなたが好きだ
あなたにこの詩を捧げよう
そう、僕はあなたが好きだ
優しいフランス
僕の幼年時代の愛しい国
憂う事も無く心地よく育まれ
いつもあなたを心に思っていた!
 
僕は景色と素晴らしい太陽を知った
はるかなる旅の途中で
様々な異国の地を回ったけれど
僕の青空と僕の地平線と
僕の広い道と僕の川と
僕の平原と僕の家を
どれほど僕は好ましく思うことか
 
優しいフランス
僕の幼年時代の愛しい国
憂う事も無く心地よく育まれ
いつもあなたを心に思っていた!
同じ年頃の子供たちはみんな
僕と同じに幸せを味わっていた
つつましい家々と教会の鐘楼のある僕の村
そう、僕はあなたが好きだ
あなたにこの詩を捧げよう
そう、僕はあなたが好きだ
優しいフランス
僕の幼年時代の愛しい国
憂う事も無く心地よく育まれ
いつもあなたを心に思っていた!
(宇藤カザン訳)
 
「ドゥース・フランス」は、一般的に日本語では「優しきフランス」と訳されているようです。この曲を聴いてわかるように、シャルル・トレネにとっての母国フランスは、「優しい」だけではなく、「愛しく」「甘く」「懐かしく」「心地良い」ものであったことでしょう。シャルル・トレネは、第二次世界大戦において慰問ショーの任務に就き、各地で歌い、兵士たちの心を癒したそうです。ドイツ占領下のパリの劇場でも、この曲が歌われたと聞きます。そう思って聴くと、とても切ない気持ちになります。
 
私たちはロックが好きなので、こちらの陽気なバージョンもご紹介したいと思います。数年前のものではありますが、フランスの人気歌手やスポーツ選手などが楽しく「ドゥース・フランス」を歌っています。http://www.youtube.com/watch?v=gWyimZwdWoA
 
優しく心地良く甘美なフランスは、時には塩辛かったり、酸っぱかったりもします。そんなフランスという国のさまざまな魅力を、私たちのドゥース・フランスで少しでもご紹介することができたらと願う朝です。
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