ラーメンの思い出

秋分の日が間近ですね。朝夕ぐっと涼しくなり、あつあつのラーメンが恋しい季節になって来ました。

ラーメンというと亡き父のことを思い出します。私がまだ中学生の頃、ラーメンが大好物な父と一緒に、よく食べに行ったものです。三鷹の自宅から、父のお目当てのラーメン屋さんまで自転車で、結構走りました。ある日、父が何かで美味しいと知ったお店へ行ったのですが、古ぼけた立ち食いのお店で、お客さんは全て中年の男性ばかりでした。中学生の女の子は店に入るなり、物珍しそうに注目を浴びてしまいました。一刻も早くお店を抜け出したいと思いましたが、父に言えず、一緒にしょうゆラーメンを食べました。その時、お店のラジオから流れて来た、殿様キングスの「涙の操」という曲と、嬉しそうにラーメンをすする父の横顔が忘れられません。

そんな父に似たのか、私もラーメンが大好きです。ノルマンディに暮らしていた時にも、時々ラーメンを食べました。フィリップの好物でもあるので、時々インスタントのものを作って、自宅で食べました。機会があれば、ラーメン屋さんへ行くこともありました。

みなさんもご存知かと思いますが、パリにはラーメン屋さんがたくさんあります。お店の入り口から車道の方まで長い行列ができるような店も珍しくありません。来々軒、ひぐま、北海道、なりたけ、金太郎・・・と、数え上げるときりがありませんが、いくつか、行ったことのあるラーメン屋さんとラーメンをご紹介したいと思います。

「サッポロラーメン3号店」：1号店、2号店は１区にあるようです。オペラ座のそばのこの3号店は、いつも大賑わいですが、調理場に居るのも、注文を取りに来るのも中国人がほとんどでした。

味はともかく、安くたくさん食べたいという人には良いかもしれません。遊びに来た大学生の甥を連れて行ったら、とても喜んでいました。

 

「善」：1区にあります。パリ在住の幼友達が連れて行ってくれました。上品な美味しさでした。

 



「えびす」：こちらも1区です。ここのとんこつラーメンが好きでした。大変込み合うので、並ぶことを覚悟で行かなくてはなりません。

ラーメン以外のものもなかなか美味しかったです。シンガポール風ビーフンや、ベトナムビーフンも食べてみました。並び甲斐のある店です。

 

 ボルドーにも美味しいラーメン屋さんがありました。こちらは、当時ボルドーに住んでいた日仏カップルの友達が教えてくれた「FUFU」というお店です。

 

 

 

 

手打ち麺でとても美味しかったです。もう何年も前に行ったのですが、いまでもきっと、大和魂でがんばっていらっしゃることと思います。

 

ところで、フランス人は音をたてて食べることを嫌うので、麺をすすりません。そもそも、すすることができない人も多いのです。また、猫舌な人も多いように思います。ラーメンはあつあつのものをふーふー、ずるずるとやるのが一番美味しい食べ方ですよね！横で静かにもそもそと食べられると、ちょっと調子が狂ってしまうのですよ。

 





ああ、なんだか無性にラーメンが食べたくなって来ました。近いうちにフィリップと食べに行きたいと思います。

丁寧に作られたラーメンのスープのように、我が心にじんわりとしみる思い出です。
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