葦毛崎展望台の駐車場で、サンダルからスニーカーに履き替えました。スニーカーは随分と古ぼけていますが、ノルマンディの遊歩道をさんざん歩き、足に馴染んだ愛着のあるものです。
結構たくさんの観光客が来ていました。私たちも上からの景色を眺めに、展望台へ向かいました。展望台前の立て看板によると、南部藩は古くから知られた馬産地であったそうです。広大な遊牧地の一部であった葦毛崎は、葦毛の馬にちなんで名付けられたと言われているそうです。恥ずかしながら「葦毛」の意味を知らなかったのですが、馬の毛色の名で、栗毛、青毛などの毛色に、年齢につれて白い毛がまじってくるものを指すのだそうです。
展望台からどこまでも続く太平洋を眺めました。
右手には、これから歩く遊歩道が見えました。ここからゴール地点の種差海岸天然芝地までは5.4kmです。何しろ久しぶりのウォーキングなので、ゴールまでは行かず、白浜海岸あたりまで歩いて戻って来ることにしました。
展望台からいったん下がり、遊歩道の階段を上がって行きました。すでにぜいぜいと言いながら、青空に映える松の緑にうっとりと見とれました。
フィリップの後を歩きながら、植物を見つけては立ち止まってしまいます。
ガマの穂を見るのは何年ぶりでしょうか。この茶色い円筒状の部分が雌花の集まりで、この上部に少し色の淡い雄花をつけるのだそうです。
潮風に揺れるススキの穂の風景は、いつ見ても趣があります。と言いながら、私はススキを見ると花札の坊主を連想して笑ってしまいます。
こちらは青森アザミです。アザミとは漢字で「薊」と書きます。花なのに魚がつくのはなぜだろうとちょっと調べてみました。「薊」を分解すると「草冠+魚+刀」となり、「魚」はトゲトゲした骨を表しているのだそうです。つまり、トゲがあって刀のように刺す草を表わしているのですね。
そしてこちらが浜菊です。花言葉は「逆境に立ち向かう」だそうです。岩にまでびっちりと生えている逞しさを見ると頷けます。
海のいい匂いを、二人で胸いっぱいに吸い込みました。私にとっては同じ匂いですが、嗅覚の優れたフィリップによると、ノルマンディの海とは何か違う匂いがするのだそうです。
少し肌寒くなって来ました。ススキに囲まれた道を、少し足を速めて進んで行きました。
海へ下りて行く途中で、整備された遊歩道が途切れていました。探せばあるのかもしれませんが、砂浜を歩くことにしました。
途中に大きな切り株があったので、これ幸いと先に進むのを止めて腰を下ろし、おやつにしました。私はチョコレート入りクッキーですが、フィリップはなんとサキイカです。波と遊ぶサーファーたちを眺めながら、くつろぎのひとときでした。
潮風が随分と冷たく感じられて来ました。風邪を酷くしてはいけないので、重い腰をよいしょと上げました。砂浜は砂に足を取られて歩くのがきついので、松林の中の小道を歩いて帰りました。
往復約6kmほどのお散歩でした。日本の自然を満喫しながら歩き、とても良い気分転換になりました。今日からまた二人でがんばって、Douce Franceの道を歩いて行きたいと思う朝です。
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