La bave du crapaud n'atteint pas la blanche colombe.
「ヒキガエルの唾は白鳩には届かぬ。」
悪口雑言を言われたことによって、言われた人の価値が下がるわけではないという意味だそうです。本当にそうですね。
日本では平和の象徴である白鳩ですが、フランスでは平和、純真だけでなく、精霊の象徴でもあるそうです。そういえば、白鳩は宗教画によく登場しています。ヒキガエルの方はフランスでも嫌われ者のようで、醜い人を表現するときに出てきたりします。でも、おとぎ話の中では、ヒキガエルにキスをすると、魔法が解けて王子様に変身することになっています。フィリップがよく、ヒキガエルを見つけて大騒ぎをする娘たちを「キスしてごらんよ、王子様に変わるかもしれないよ。」とからかい、大層顰蹙を買ったものでした。
Une
hirondelle ne fait pas le printemps.
「一羽のツバメが春をもたらすのではない。」
何かを本当だと証明するためには、多くの証拠が必要であるということだそうです。良い知らせでも、よく確かめないうちには喜ばないほうが良いという意味もあるそうです。個人的に、ちょっと耳が痛い諺です。
また、"hirondelle"(ツバメ)という単語は、昔、自転車に乗った巡査の愛称だったそうです。
長いマントが確かにツバメのように見えます。果たして当時の巡査たちが、ツバメのように早く走り回っていたかどうかは疑問です。
もう一つ、鳥が登場する諺をご紹介します。
Faute de grives, on mange
des merles.
「つぐみがなければ、黒歌鳥を食べる。」
希望するものが得られなければ、得られるもので満足するしかないという意味ですね。フランスの食材がなかなか見つからないと、八戸で嘆くフィリップに聞かせたい諺です。
この黒歌鳥の写真の方は、ノルマンディの自宅で撮ったものです。こちらを警戒しながら、あちこちぴょんぴょんと移動して庭の芝生をつつくのですが、時々このようにじっと動かなくなることがありました。まるで、黒歌鳥が何か考え事でもしているかのように見え、面白がって見ていたものです。
最後にご紹介するのは、植物が登場するフランスの諺です。
Mauvaise herbe croît toujours.
「雑草は絶えず増える。」
悪餓鬼ほど背が伸びるのが早いという意味だそうです。日本で言う「うどの大木」でしょうか。やたらと縦に成長してしまった私にとって、これもまた耳の痛い諺です。憎まれる者ほど世間で幅をきかせるという意味としても使われるそうですが、それなら日本にも「憎まれっ子世に憚る。」という諺がありますね。
やはり日本の諺と重なるものが多いですが、実生活から生まれた、言い得て妙なフランスの諺はなかなか興味深いと思います。まだまだありますが、次回は「愛」が登場する諺をご紹介できたらと思います。
雨に濡れる庭の雑草を眺めながら、確かに絶えず増えるとため息をつく朝であります。
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