昔話「コアラのひょうたん売り」その６

すす「首位ってどの辺だろう。上を目指すと首が疲れるにゃん！」

コアラは故郷からフランスへ戻り、また営業生活です。けれども、出張で多くを学び、毎日朝から晩までパソコンに張りつくのはやめました。

予定していたライオンとのアポは、フランス国鉄のストライキにより延期となりました。パリまで行かずに済むとほっとした途端具合が悪くなり、コアラは数日間、風邪薬のお世話になってぐだぐだとしていました。 

やっと薬をのまずに済むようになり、頭の中にかかっていたモヤが晴れて、ようやくはっきりして来ました。なんといってもフランスの風邪薬は強力なのです。 

クリアになったところで早速、アメリカのカワウソから電話がかかって来て、一時間ほどお付き合い。彼がその長電話で言いたかったことを要約すると 、

１）営業には二枚舌が必要だ 

２）後で言い逃れができるよう、逃げ道を作ることが必要だ 

３）タヌキはたぬき寝入りをしているようだ 

の3点だけでした。 ５分で済むものを。

（写真と登場人物とは一切関係ありません）

３番目には大いに頷きましたが、最初の２つは笑い飛ばしてやりました。そんなまねは逆立ちをしたって出来やしません。そもそも逆立ちすらできないコアラですから、もうお話になりません。 

ところで、１０月締め２商品の注文数は、フランスのライオンが首位でした。ベルギーのシカは３位。コアラの努力が報われました。

大風呂敷を広げたカワウソの方はと言えば、口ほどにもなく、アメリカ市場であまり注文が取れずに終わってしまいました。

営業に二枚舌など必要ないということを、証明して高笑いしてみせましょう。そんな風に気を良くしているコアラですが、さて、これからの海外市場は、今後どうなるのでしょう？つづく

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