ライオンはひょうたんを気に入って、いつも買ってくれていました。 フランス動物界の王様ですが、えばらずとてもよいリーダーなのでした。
ある日コアラがライオンに会いに行くと、
「コアラさん、よろしければ私が代表して、フランスのみんなに声をかけてあげましょう。」と笑顔で言いました。
それでコアラは急いでタヌキに手紙を書きました。
「タヌキさん、ライオンさんがフランスのネズミさん、リスさん、ハリネズミさんたちに声をかけてくれるそうです。きっとたくさんのひょうたんがまとめて売れますよ。是非一度お願いしてみませんか?」
するとタヌキは薄目を開けて、
「コアラさん、今月アメリカのカワウソさんが私たちの仲間に加わりました。海のそっち側のこともよく知っている人です。最近、イタリアのトラさんともお話をしたそうです。これからコアラさんの力になってくれるでしょう。ライオンさんのことは、ちょっと考えさせてくれませんか。」 そう言うと、またたぬき寝入りを始めました。
(写真と登場人物とは一切関係ありません)
「コアラさん、海のそっち側もカワウソさんにお願いすることにしました。ではごきげんよう、さようなら。」 近いうちにそんな手紙が届く予感がするコアラなのでした。
そしてタヌキは子分たちにじゃんじゃか、じゃんじゃか、新作ひょうたんを発売させていました。
そのくせ、ライオンからの親切な申し出にはたぬき寝入りを続け、うやむやにしたままでした。うまく利用して売らせ続けようという魂胆なのでしょう。コアラはライオンにお手紙を書くときにいつも苦労しました。コアラは、うそやはっきりしないことが大嫌いなのです。
それでも、ライオンはいつも誠実でした。タヌキからの返事がもらえなくても、新作ひょうたんを買い続けてくれました。宣伝もたくさんしてあげましょうと言ってくれました。
けれども、ある日コアラが電話をすると、ライオンはとてもいらいらしていました。本当はタヌキに噛み付きたいのです。「ふざけんな!」と蹴りを入れてやりたいのです。できることならそうしてもらいたいコアラです。
さて、いったいタヌキはライオンとの関係をどうするつもりなのでしょう。アメリカの新入りカワウソと、なにをこそこそやっているのでしょう。こうなったらがまん比べです。人生いろいろありますが、つまらないことを悩んでいても仕方がありません。 つづく
「すすも、うそやはっきりしないことは嫌いにゃん」(キッパリ!)
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