2022年8月22日月曜日

昔話「コアラのひょうたん売り」その7



「すすはひょうたんよりこっちがいいにゃん!」

11月末受注締め切りのひょうたんは3種類ありました。ひとつ目は過去に良く売れたので再生産のひょうたん、ふたつ目は人気の出そうな精巧で高価なひょうたん、みっつ目は超マイナーなひょうたん。 


フランスのライオン、じわじわと実力を発揮し、今回も3種類全部で首位の座につきました。ブラボー!鼻が高いコアラでありました。


アメリカのカワウソからは、相変わらずしょっちゅう電話がかかって来て、ああでもない、こうでもないと仕事関係の話をしますが、だんだん彼の態度が変わって来たのを感じるコアラ。荒かった鼻息が少し収まって来て、時々泣きごとのようなことも吐くようになり可笑しくなります。


それにしても、ぽかミスが多いカワウソ。 クライアントへの新商品ご案内メールで、値段、締切日、貿易用語などをたびたび間違えるのには驚きます。送信前に確認しないのでしょうか。


コアラが青くなって指摘すると「すみませ~ん、間違えちゃいました。さっきのメールのこの箇所は正しくは・・・」なんて、軽い乗りの英語メールを、悪びれもせずクライアントたちに再送するのです。ミスは誰にでもありますが、こう何度もあるとちと心配になります。 


また「受注締切日は厳守した方がいいですよ。」と言うコアラに「何言ってんの、大丈夫、大丈夫。第一ね、締切日なんて言ったってクライアントは守れるわけないんだから。締切日後に電話をかけて催促する。これが基本よ、わかる?前の会社でもそうだったよ。」なんて調子。 


コアラは約束事は守らないと気がすまないので、自分のクライアントたちにもそうしてもらっています。おかげで今回も、タヌキへの注文発注締切日をきっちり守ることができました。出遅れたカワウソは、案の定タヌキチームから催促メールを受け取りました。「そんなこと言ってもねぇ・・・」と言い訳メールを返信していましたが「あと一日だけあげます。それに間に合わなければ受け付けられません。」ときっぱり言われて青くなっていました。前の会社とは違うということを早くわかってください、カワウソ。


写真と登場人物とは一切関係ありません)


ところで、タヌキチームにはアメリカ生まれのアライグマがいます。どこから見てもアメリカ種ですが、子供の頃から日本に生息していたそうで、日本語も英語もとても流ちょうです。このアライグマは大変温厚なのですが、仕事上カワウソとの摩擦が多く、メールのやり取りで火花が散ることがあり、ひやひやします。長年やっているアライグマにすれば、新米のカワウソが大口を叩いて適当な仕事をするのが気に触るのでしょう。 


そして、ひょうたん市場にはひゅるひゅると侘しい不況の風が。新規動物開拓に努めるものの、「今はちょっとそれどころでは・・・。来年には取引できることを願っております。」「お宅のひょうたんはなにしろ高いからねぇ。もうちっと安くできませんかね?」どこからもそんな返事ばかり。そんな中、フランスのライオンをはじめ、ベルギーのシカ、イタリアのトラたちが定着してくれているのが幸いでした。


そんな中、カワウソの苦戦は続いており、担当のアメリカ、アジア、オセアニアにおける注文総数が、コアラ担当ヨーロッパより格段少ない有様。


しかもこのカワウソ、なんだかやっぱり怪しい。 ライバル会社のHPを見ていたコアラ、最近できたアメリカ支社住所を見てぎょっとしたのです。なぜなら、かわうその家のすぐそばではありませんか!もしや、「わかりゃしない、わかりゃしない。」と大胆不敵に、2社を手玉に取ろうとたくらんでいるのではないのでしょうか?これってコアラの考えすぎでしょうか。つづく


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