2016年9月10日土曜日

黒猫の思い出

先日、Galleryたなか1890の充子さんと和勇さんとお会いした時に、猫の話題が出ました。お二人が飼っている抹(まつ)、岳(たけ)、梅(うめ)の三兄弟は、障子を破いたり、ガラスの飾り棚に飛び込んだり、元気いっぱいだそうです。「もうせわしなくて大変で!」と嘆く充子さんと和勇さんでしたが、猫たちへの愛情がしみじみと伝わって来て、なんだかにやけてしまいました。

また、フィリップが子供の頃に飼っていたプッシーの話になって、みんなで大笑いしました。2013年にこのブログの「フランスの犬と猫」で写真をご紹介したことのある黒猫です。時には、首にナプキンを巻いて、みんなと一緒に食卓に着いて、前足をテーブルにのせ、何をもらえるかとじっとお行儀良く待っていたそうです。オリーブが大好物だったそうですよ。
かなりいたずらもしたそうです。ある日、フィリップのお母さんが来客用にと用意していた大きな"Baba au rhum(ババ・オ・ラム)を、プッシーはこっそり半分くらい食べてしまったそうです。ラム酒をたっぷりしみ込ませたお菓子ですからたまりません。酔っぱらってひっくり返っているところを家族に見つかって、大騒ぎになったそうです。

私も小学生の頃、黒猫を飼っていたことがあります。見た目通りに「くろ」と名付け、家族でとても可愛がっていました。紐の先に煮干しを括り付けて廊下を走ると、猫のくせにどたどたと音をたてて追いかけて来ました。毎朝、小学校までの道をにゃぁにゃぁとついて来て、校門の前で私に「お帰り!」と言われると、何度かこちらを振り返りながら戻って行ったものです。

ある時、どこかへ行ったきり帰って来ず、事故にでも遭ったのかもしれないと随分心配しました。するとなんと一週間程経った頃に、学校の下駄箱のところから突然「にゃぁ」と現れました。先生に連絡してもらい、母に学校へくろを迎えに来てもらった嬉しい日のことを、まるで昨日のことのようにはっきりと覚えています。

杉並から父の転勤で福井県への引っ越しが決まった晩、「あちらの社宅はアパートなので、くろは連れて行けない。」と両親から聞かされて、兄と4人でくろを見つめながらどうしたものかと話し合いました。くろがどこかへ居なくなってしまったのはその翌日のことです。泣きながら随分探しましたが、とうとう見つかりませんでした。賢い猫だったので、状況を察して自分から去る決心をしたのかもしれません・・・。

黒猫の思い出に浸り、涙で文字が滲んで見える、土曜日の朝であります。

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