2014年2月17日月曜日

雪紋

先日こちらで、ロシア男性写真家アレクセイ・クリャトフさんによる雪の結晶の写真をご紹介しました。これらの、自然が生み出す神秘的な雪の結晶を見て、家紋にも雪の紋があったことを思い出しました。

以前「切り絵の思い出」でご紹介したように、ノルマンディで暮らしていた頃に切り絵に夢中になり、家紋をモチーフにいくつか額を作ったことがありました。他に切ることのできる紋はないかと、よく家紋図鑑を眺めたものです。

今日は、日本固有の文化である家紋の中から、いくつかの雪の紋を取り上げてみたいと思います。

「春風雪紋」
Kamon de la neige, "Harukazeyuki"
 
「山雪」
Kamon de la neige, "Yamayuki"
 
「山谷雪」
Kamon de la neige, "Sanyayuki"
 
 
古来の家紋に雪の結晶にも見えるようなモチーフを見てちょっと驚いてしまいますが、1832年にはすでに、下総(しもうさ)国古河藩主の土井利位(1789-1848)の手による「雪華図説」という著書が刊行されているそうなのです。当時オランダから輸入された顕微鏡で、雪の結晶を忠実に観察したものだそうです。
 

 
こちらで、「雪華図説」の復刻版が公開されています。2段目の右のデッサンを元に作られた家紋が、下の「雪」ではないでしょうか。
 
「雪」
Kamon de la neige, "Yuki"
 
この「雪」を外輪にして、内側に様々な紋様を入れて作られた家紋がたくさんあります。例えば、可愛い「雪輪にひな雀」もその一つです。
 
「雪輪にひな雀」
Kamon de la neige, "Yukiwanihinasuzume"
 
あれこれと空想しながら見ていると切りがないので、今日はこの辺でおしまいにしたいと思います。下総(しもうさ)国古河藩主の土井利位氏(1789-1848)が寒空に震えながら顕微鏡を覗く様を想像してみたりする、雪景色の月曜午後であります。
 
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