集合場所は3軒お隣にお住まいのみっちゃんこと美智さんのお宅前でした。みっちゃんは狭い雪道をものともせず豪快に運転して、ご近所のSさん、山田さん、白山台公民館館長の金田さん、そして八戸キリンさくら会で一度ご一緒したFさんを次々に拾ってくださり、みんなで一緒に酒蔵へ向かいました。私たちは、山田さんからのお誘いにためらうことなく「行きます!」とお返事をしたものの、実はどこへ行くのかさえ尋ねもせず、到着するまで知りませんでした。見学先は八戸酒造さんでした。
裏の駐車場に到着して、まず目に飛び込んで来たのが「男山」と書かれた美しい蔵です。「西蔵」と呼ばれる、この土蔵造り2階建の蔵にしばし見とれました。
この西蔵は、登録有形文化財(建造物)に認定されているそうです。大正1919年から1926年の建築物であることが、「文化遺産オンライン」に記載されていました。
また、この西蔵だけでなく、北蔵、文庫蔵、煉瓦蔵、主屋、煉瓦塀なども文化庁により登録有形文化財に、そして青森県で葉第一号の景観重要建造物にも選ばれていると知りました。
八戸酒造さんの創業は1775年(安永4年)、現在の蔵元である駒井庄三郎氏が八代目でいらっしゃるそうです。建物のほとんどが創業時のままだそうです。
九代目後継者に当たる庄三郎さんが見学者たちを出迎えてくださいました。後継者は代々「庄三郎」という初代の名前を受け継いでいらっしゃるそうです。
さて、銘酒男山の看板をくぐって、いよいよ蔵見学の開始です。
●米貯蔵室
酒造に使われる青森産のお米が、新井田川を臨むこの貯蔵室にリフトで運ばれるそうです。「華吹雪」という銘柄の精米がありました。
●洗米
写真手前の洗米機でお米を洗います。その後青い箱の中で一定の時間水に浸しておきます。酒造の中では簡単な工程の様に思えますが、これによってお酒の良し悪しが決まると言っても過言ではないそうです。
丹念に洗い磨かれたお米は、糠がすっかり取れ、真っ白でした。
●白米を蒸す
充分に水分を吸わせた白米を、釜場の巨大な蒸し器で蒸します。
●麹造り
蒸したお米に種麹を混ぜ麹室で48時間繁殖させます。お酒の味わいの決め手となるのが麹だそうです。
●酒母造り
酒母タンクで酵母を培養します。
●仕込み
蒸し米に麹、酒母、水を加え、仕込み部屋の23本のもろみタンクで約20日から25日間、もろみを3段仕込みで造ります。
近くで見ると、ふつふつと発酵している様子が良くわかりました。
●圧搾・ろ過
奥に見える巨大な圧搾機でもろ味を搾り、酒と粕に分けます。
この壁の煉瓦や天井に張り巡らされている鉄筋は、大正時代にスコットランドから取り寄せたものだそうです。煉瓦の積み方が、長い煉瓦だけの段、短い煉瓦だけの段と、一段おきに積むイギリス積み方式となっているそうです。
●火入れ
搾った酒に低温殺菌を行い、酵母の活動を休止させます。火入れをせずにある方法により発酵を止めたものが「生酒」だそうです。
火入れの後、貯蔵、調合、瓶詰めなどの工程を経て、お酒の出来上がりです。
とても興味深い蔵見学の後は、お楽しみのテイスティングタイムです。蔵見学をご案内してくださった方が、商品をひとつずつ丁寧に説明してくださり、5種類のお酒の味見に入りました。
日本酒ファンのフィリップは真剣そのもので、香りと味わいの違いを楽しみ、気に入った商品に星印をつけていました。
以前、ご近所友達のNさんのお宅の手打ち蕎麦見学の晩に、火入れした「八仙ピンクラベル」を味わったことがあり、とても気に入っていたのですが、今回味見させて頂いたそのピンクラベルの醸造生酒が最高に美味しかったです。
以前、フィリップと金沢の酒蔵を見学したことがあるのですが、今回はなにしろ地元の酒蔵ですから思い入れが違います。フィリップの日本酒好きに、さらに拍車がかかったようですよ。
見学会とテイスティングの後、居酒屋「がんこおやじ」さんに場所を移動し、お料理を頂きながら、愉快な参加者のみなさんたちと八戸酒造さんのお酒で盛り上がりました。それについてはまた明日、ご紹介させて頂きたいと思います。神秘的で奥の深い日本酒造りにひたすら感心する、木曜日の午後であります。
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