2016年2月9日火曜日

今年も豊作を祈ってお座敷えんぶり~国登録有形文化財田中家にて(後編)

お座敷えんぶりの醍醐味は、心躍る舞や祝福芸のお披露目を間近に拝見できるだけでなく、他のご招待客のみなさんとお食事やお酒を頂きながら交流できるところにあるのではないでしょうか。今日は、昨日の前編の続きです。

今年も、田中家のみなさんが美味しいおでん、おいなりさん、お寿司、鶏煮、唐揚げなどをご用意してくださいました。えんぶり組と招待客でかなりの人数ですから、準備はさぞや大変でしょう。和勇さんがむいたゆで卵の数が50個と聞いてびっくり。みなさんとご一緒に遠慮なく頂きながら、お酒を酌み交わしました。こちらの写真はそのごく一部です。




朝市珈琲の佐々木良市さん、加藤酒店のカトミさんとご家族など、顔なじみとの再会が嬉しかったです。ちなみに、上の写真のおでんが入っているえんぶり図柄のお皿は、良市さんの作品だそうです。

畳に座るのは一苦労してしまうフィリップのために、みつこさんが椅子とテーブル席を用意してくださっていました。そこでご一緒したのが、こちらの素敵なお二人、和紙人形アーチストの高橋寛子さんと青森大学の赤坂道俊教授です。


高橋さんの作品、えんぶり和紙人形のひとつが田中家に飾ってあり、しばし見とれてしまいました。


高橋さんから、この素晴らしい和紙人形の作り方をはじめ、皇太子殿下に作品が献上されたことなど、興味深いお話をいろいろと伺うことができ、とても楽しかったです。また、高橋さんは帆風美術館の学芸員もなさっているんですって。いつか是非出かけてみたいと思っていた、八戸市の美術館です。

赤坂教授と奥様も、気さくに交流してくださいました。赤坂教授は「フランス語は大学時代に選択していたものの、すっかり忘れてしまいました。」と笑って謙遜なさっていましたが、口から時折何気なく、フランス語単語が飛び出していましたよ。

そうこうするうちに中休みが終わり、えんぶり組太夫たちが烏帽子を神棚の下に祀られていた初代のものに付け替えて、



田植えの踊り「中の摺り」が始まりました。何度見ても感動的な、神事儀礼的な演技です。

その後、大人たちによる祝福芸へと続きました。雰囲気はがらりとかわり、時々あちこちから野次や笑い、拍手が湧き上がり、とても愉快でした。今年も、豊作を祈るお座席えんぶりに参加させて頂けたことをしみじみと幸せに感じながら、フィリップと楽しませて頂きました。







ご招待くださった田中家のみなさんに感謝の気持ちでいっぱいの、火曜日の朝であります。

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