2014年9月26日金曜日

気まぐれの額

今日は、以前このブログの「蝶の思い出」でちらっと写真をご覧頂いたことのある、私のアートもどき「気まぐれ」の額をご紹介したいと思います。

 
フランス語で蝶はpapillon (パピヨン)と言いますが、移り気だったり軽薄な人を形容する時にも使われる単語です。着物の裏地の上に、一匹の蝶を気ままに切り絵で作って乗せてみました。
 

この奇妙な額に合わせて作った詩のようなものもあります。

「わたしは海風と戯れる
風が吹き、雨が降る
わたしから希望を奪い去ろうとして

わたしは城塞で甘えん坊の猫と戯れる
中世の騎士の魂が蘇る
わたしを館の中に閉じ込めようとして

わたしはジュピターの周りで戯れる
巨大な小遊星が流れる
わたしを失望に打ちのめそうとして

わたしは街灯の上で戯れる
孤独な夜が更ける
わたしを暗闇の中に招き寄せようとして

わたしは戯れ、そして満足している
けれど皆が私の落下を望んでいる
この長ったらしいお話を終わらせようとして」
 
当時はなんだか悲観的な心境だったのかと思いきや、結びまで読むとそうでもなさそうですね。
 
ノルマンディ時代に作ったアートもどきの数々は、気に入ってお買い上げ頂いたり、友達にプレゼントしたりして、日本へ持ち帰ったものはほとんどありません。この気まぐれの額が、最終的にどこのお宅に落ち着いたのかを全く思い出せない、金曜日の朝であります。

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