2016年8月13日土曜日

赤ワインを浸して~慈子さんの手作りマドレーヌ

先日、慈子さんが私に「お誕生日おめでとうございます!」と、手作りのマドレーヌをくださいました。慈子さんは、Douce France(ドゥース・フランス)フランス語講座パティシエ専門個人レッスンの生徒さんのひとりです。思いがけないプレゼントに大喜び!早速フィリップと、晩御飯の後のデザートに大変美味しく頂きました。慈子さん、本当にありがとうございました!
そのまま頬張る私の横で、フィリップは赤ワインに浸して食べていました。フィリップはビスケットもそんな風にして食べることがあります。お父さんの習慣だったそうです。私もふたつめはフィリップの真似をして・・・。
「あぁ、マ・シェリ!浸し過ぎ!心臓に悪いぞ!」と横から茶々が入りましたが、気にしない、気にしない。しっとりとしたマドレーヌに赤ワインがしみ込んで、そのまま頂くのとはまた違った魅力を楽しむことができました。

今回のワインも、フィリップが最近お気に入りのスペイン産の赤です。フランス産ワイン一辺倒だった自分が、まさか日本でスペイン産のワインを楽しむようになるとは思いもしなかったと笑っております。


いよいよ、慈子さんがフランスへ発つ日まであと約一ヶ月。南部町 KEKU Café(ケクーカフェ)でパティシエの仕事をしながら、フランス語の勉強もがんばっていらっしゃいます。前回の7回目のレッスンでは、すでにフィリップの質問をしっかり聞き取って、ちゃんと答えることができて。どんどん上達していることがわかります。ご自宅では、私たちのレッスンの復習の他に、市販のテキストを使った勉強もなさっているそうですよ。素晴らしいです。

さて、マドレーヌで思い出すのは、やはり"Marcel PROUST" (マルセル・プルースト)。"A la cherche du temps perdu" (失われた時を求めて)はあまりにも有名ですが、私が読んだのはやっと40代に入ってから。フランスのカン大学に短期留学した時、「フランス古典文学」の授業で無理矢理読まされて、うんざりとしたものです。マドレーヌを口にした主人公の脳裏に、幼少期の夏のバカンスの記憶が蘇るという長い長い物語。このように、私たちの意思とは関係なく、あちらからやって来る記憶を「無意識的な記憶」と呼ぶそうです。

そういえば、フィリップも私もそれぞれに食に通じる無意識的な記憶に溢れている気がします。特にフィリップは、味覚と共に、私の知らない料理上手だった亡き両親のことや、遠く離れている兄と姉たちとの思い出を蘇らせては懐かしそうに話してくれます。

"A la cherche du temps perdu" (失われた時を求めて)をもう一度読んでみようか、いや、やっぱりやめておこうと首を振る、土曜日の朝であります。


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