L字型のカウンターの向こうの厨房で、店主の杉山寿彦さんが温かく迎えてくださいました。その日の食材を見て、好きなものを単品でお願いしたり、値段を決めてその予算内でお料理して頂いたりすることができます。私たちは海のものに関しては好き嫌いがほとんどないので、お任せすることにしました。
フィリップはまずは生ビール。私は杉山さんお勧めの「じゃばら酒」を頂いたのですが、酸味と苦みがほどよく調和して実に美味しかったです。じゃばらという柑橘類を検索すると、見かけはユズやカボスのようですが、それらとはまた違った魅力があります。
まず登場したのは、マンボウの胃袋酢味噌和え、山ゴボウの梅和え、本マグロの時雨煮。マンボウの胃袋なんて初めて!
そして新鮮なお刺身。つまの赤い大根も珍しいですよね。厨房で働いていらっしゃる様子を目の前で見ることができるうえ、杉山さんが珍しい食材の数々を惜しみなく見せながら説明してくださるので、とても興味深かったです。
次はあなごのお鍋風。たまらぬ美味しさに、フィリップはお代わりをしましたよ。
今度はこちらを料理しましょうと、杉山さんが取り出したのはなんとも見かけの悪い魚。ハッカクだそうです。
ところがこちらもこだわりの料理人の手にかかると、身も皮も香ばしく魅力的な一品に。長芋としし唐の天ぷらと共に、さくさくと夢中で頂きました。
そうそう、美味しいお料理と共にフィリップが楽しんだのは、4種類の日本酒です。「3種類の利き酒」を選んだのですが、杉山さんがもう一種類とサービスしてくださいました。どれも私たちにとっては珍しいものばかり。フィリップは、特に福島県会津若松市の寫楽(写楽)が気に入ったようです。
こちらの深浦の糸もずくもサービスしてくださいました。白神もずくとも呼ばれたりするそうです。しゃきしゃきとして、今まで食べたことのあるもずくとは比べ物になりません。
お料理の最後には、3種類のご飯ものの中から鯖の棒寿司を選びました。目の前でさささっとあざやかな手つきで作ってくださって、これもまた上品で良いお味でした。
そしてデザートにと出してくださったのは、見たことのない奇妙な実。ポポーという名の北米原産の果物だそうです。アケビに似ていて、種が柿のようなのでアケビガキとも呼ばれているそうです。甘くて、バナナとマンゴーを合わせたような味がしました。
このように珍しい食材や日本酒を頂いて、大満足の晩でありました。杉山さんによると、常連さんたちは伴童さんのことをあまり人に言いたがらないのだそうですよ。カウンター席は8つだけ。数量限定の貴重な日本酒や珍しい食材を頂けるこのお店が、あまりにも知られてほかのお客さんでいっぱいになってしまうと困るからだそうです。その気持ちはとても良くわかります!が、私はあえて宣伝してしまいましょう。
厨 伴童
三沢市中央町2-3-2 味ビル1F
TEL 0176-27-6505
このブログ掲載を常連さんたちに叱られませんようにと願う、日曜日の朝であります。
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