ノルマンディ時代には、シェルブールの町にある"Espace Fatout" (エスパス・ファトゥ)や"Genevieve Lethu"(ジュヌヴィエーヴ・レチュ)などにふらふらと入ってしまい、お店を出る時には大きな紙袋を抱えて出るはめになることがよくありました。
そんなわけで、フランスで買った食器や台所用品が結構あるのですが、10年前に私の引越し荷物と共にフランスへ渡り、今年また一緒に日本へ帰って来たものもあります。その、昔からの愛用品の中に、フランス国立クリュニー中世美術館の至宝「貴婦人と一角獣」の6連作タピスリーにちなんで作られた、リモージュのお皿があります。今年の4月から7月にかけて、国立新美術館でこのタピスリーがお披露目されたそうですし、実物をご覧になった方も多いのではないでしょうか。
私は大昔にクリュニー中世美術館を訪れ、このタピスリーにすっかり魅了されてしまいました。飽きもせず、パリへ行く機会があるたびに、3度程見に行ったものです。
その後、日本で「貴婦人と一角獣」のお皿を通信販売しているのを偶然見つけ、飛びついて買ってしまったというわけです。
今日は、自宅で撮った6枚のお皿の写真のうちまずは3枚を、タピスリーの写真と見比べながら、みなさんにご紹介してみたいと思います。タピスリーの写真は、クリュニー中世美術館のHPに掲載されていたものを使わせて頂くことにします。
"Le Goût" (味覚)のタピスリー
獅子と一角獣に守られた貴婦人が、左手にとまるインコを優雅に見つめています。
右手は、侍女が無表情に差し出す砂糖菓子に伸びています。
"Le Goût" (味覚)のお皿
"La Vue" (視覚)のタピスリー
一角獣が、貴婦人の膝に前足をのせ、貴婦人の持つ鏡に映る自分に見入っています。 一角獣はとても寛いでいる様子です。
鏡に映る一角獣の表情は生き生きとしていますが、貴婦人の表情の方には絶望のようなものを感じてしまいます。
"La Vue" (視覚)のお皿
"Le Toucher" (触覚)のタピスリー
美しく着飾った貴婦人が、右手で旗を支え、左手で一角獣の角をなでています。一角獣は凛とした貴婦人を崇めるような表情です。
"Le Toucher" (触覚)のお皿
15世紀末に織られたというこれらのタピスリーの素晴らしさの足元にも及びませんが、お皿の方も細かい描写が美しく丁寧に描かれていて、なかなかの出来栄えだと思います。何より、見るたびにあの森閑と薄暗いクリュニー中世美術館内の空気を思い出すことができるのが嬉しいです。
明日は引き続き、残りの3枚について書いてみたいと思います。今日はばたばたとしていて、このブログを書くのがすっかり遅くなってしまいました。丸裸になって寒々しい庭の木を眺めながら、伝説の生き物である一角獣のことをぼんやりと考える、金曜日の夕方であります。
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