先日、ノルマンディの心の友ブリジットが、一枚の写真を送ってくれました。器用で繊細な彼女が、木目込みの要領で、木の板にモチーフを自分でデザインし、着物の端切れを丹念にはめ込んで完成させたパネルの写真です。この中に、私が彼女に託して来た着物の端切れをいくつか見ることができ、胸が熱くなりました。
"JARDIN SECRET AU COEUR D'HIROSAKI" par Brigitte A.
私たちがノルマンディを発つ頃、このパネルは半分位まで進んでおり、どういうことを表現しているのか、ソプラノで歌うように説明してくれたものです。うっとりと聞いたのですが、なにしろ半年前のことで、内容をすっかり忘れてしまいました。もう一度訊いてみたところ、この作品に合わせてテキストを作って送ってくれました。詩的なフランス語のテキストは難しくて苦手なのですが、なんとか和訳してみました。
「弘前の秘密の花園」
太陽がその暖かな陽射しで、春の再来を迎え入れる。
桜の木の下で銀色の鳥たちが、ざわめきながらゆっくりと溢れる泉の水を飲む。
はるかな国で宝物として残されたこの庭で、アネモネが薔薇と金の糸で飾られる。
急激に春となり、梅や深紅のチューリップも、このお祭りの光景に姿を見せる。
そして自然が全開となり、容赦なく降り注ぐ光と私達の母なる地球が蘇る。
ブリジットは、旦那さんのジャン・リュックの赴任のため、青森県三沢市に長年暮らしていました。日本滞在中には、青森県だけでなく、あちこち国内旅行をして日本を満喫していました。その中でも、弘前の桜がいかに印象的であったかが、この作品を通して伝わって来ます。
彼女たちはノルマンディで3軒隣に住み、私の心の支えとなってくれていました。異文化の中で思い悩むような時、ブリジットはいつも耳を傾け、静かに励ましてくれたものです。
さて、パネルはあと3枚作り、彼女たちの素敵な家のどこかに飾る予定だそうです。感受性豊かで、音楽や美術の才のあるブリジットの次の作品がとても楽しみです。
「弘前の秘密の花園」の写真を眺めながら、来年の春にはフィリップにも弘前の桜を見せてあげたいと思ったりする、日曜日の朝であります。
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