先日「頑固な土瓶」を書きながら、ノルマンディの心の友たちのことを思いました。似たような境遇のやまとなでしこ妻たちと、時折集ってはお茶を飲みながら、いろいろなことをお喋りしたものです。なにしろ、心の通い合う友たちと気兼ねなく、日本語で話が何でも通じるのが嬉しかったです。我が家でのそんなお茶会では、頑固な土瓶がよく登場しました。
みんなでお菓子を持ち寄り、毎回テーブルが一杯になり、とても賑やかでした。お菓子作りの上手な人が多く、いつも彼女たちの美味しいお菓子に感激していました。甘くてとろけるようなお菓子を食べながら、まろやかな緑茶を頂くと、フランス生活で少しささくれ立った心が癒されるような心地がしたものです。
私も気が向くと、小豆を煮て、遊び半分で和菓子を作ってみたりしていました。以前、このブログの「小豆の思い出」で、大好きな小豆について書きながら、ノルマンディ時代に手作りした和菓子の写真をご紹介しました。この時には見つからなかった、手作りの桜餅の写真が出て来ました。なぜかとても小さな画像です。
実は道明寺の方が好きなのですが、作るのがあまりにも難しそうなので、餡をクレープのように包む桜餅にしました。
分量の白玉粉に水を少しずつ注ぎ、手で混ぜました。次に砂糖と小麦粉を加え、泡だて器でとろりとするまでよくかき混ぜます。そうしてそこへ赤の染料を一滴たらすと、たちまち鮮やかな赤い渦巻きができました。それをよく混ぜ、また一滴、色合いを見ながらその作業を3度ほど繰り返すと、ほんのり桜色に染まりました。
レシピによるとこの桜色の生地をホットプレートで焼くのですが、ないので仕方なくフライパンで焼きました。焼き色がついては台無しなので、ごく弱火で用心しながら焼いたのを覚えています。
苦戦したのはこしあん作りです。粒あんはよく煮ていましたが、それをこしあんにするのはこの時が初めてでした。
こしあんが出来てからは一番楽しい作業です。こしあんを小さく丸め、桜色の皮を巻きつけ、塩を洗い流した桜の葉を着せました。随分とたくさん出来ました。
夕食の後に、桜餅は初めてのフィリップが一つ食べて、「ん?」
もう一つ食べて、「うむむ!」
そしてもう一つ食べて、「うん、これはうまい!」
二人で3つずつ食べたと日記にあります。私は作ってすぐ、味見もしたので4つ食べたことになり、呆れてしまいます。
季節はずれの桜餅の思い出を書きながらラップを聴く、可笑しな土曜日の朝であります。
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