私は特にランプ作りが好きで、自己流でいくつも作り、家中ランプだらけでした。それらのランプは、友達や知人のところにお嫁入りして可愛がってもらっています。その中で、フィリップが「これだけは誰にも渡さない。日本へ持って行く。」と言い張ったものがあります。かれこれもう7年前に作った「古い切り株」と名付けたランプです。
明かりを灯すとこんな感じです。
和紙で作った壊れ易いこのランプを、なぜフィリップがわざわざ日本まで持って来たがったかと言うと、このベースを苦心して作ったのが自分だからなのです。私の思い描くイメージを伝えると、ベニア板で型を組み立て、石膏を流し込んで、サイズ通りに作ってくれました。
「古い切り株」なので、古い木肌の感じを出して欲しいと注文すると、こげ茶色の絵の具を3層塗り、2日間乾かし、その後ひび割れ模様を作るための特殊なニスを3層塗り、乾かし、手直しのニスを塗り・・・と丹念な作業を繰り返しました。
写真ではひび割れた感じをよくご覧頂けないのが残念です。この、フィリップとの共作とも言える「古い切り株」のランプに合わせて作ってみた、ランプのつぶやきがこちらです。
一日中悪戯な木の葉たちがからかうけれど、じっと身動きしない。
夜通し木の葉たちがかさかさと音をたててうるさいけれど、ぐっすりと眠る。
そりゃそうさ、わたしゃ切り株だもの。
フランス語で「切り株」という言葉は、じっと身動きしないことを「切り株の様に動かない」、ぐっすりと眠ることを「切り株のように眠る」というように使われます。夜通し木の葉たちがかさかさと音をたててうるさいけれど、ぐっすりと眠る。
そりゃそうさ、わたしゃ切り株だもの。
この「古い切り株」のランプは、床の間に飾っています。お隣は、母が大昔に葉山で衝動買いした箪笥で、亡き父が使っていたものです。床の間はこのようなものを飾る場所ではないということは重々承知しているのですが、居心地が良さそうに納まっているので、ずっとこのままになりそうです。
身動きをしない「古い切り株」のランプをしみじみと眺める、雨降りの金曜日であります。
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