初めてお会いするNさんは、ブログの文体通り、とてもさばさばとして知的な感じの男性でした。広いリビングの掘りごたつ式の大きなテーブルの上に、手打ち蕎麦をするための道具が綺麗に並んでいました。
この日のために、北海道から特上の新蕎麦の粉を取り寄せて下さっていました。「粉が飛びますから、こちらでご覧ください。」と、少し離れたところに椅子を用意して下さいました。さぁ、いよいよ蕎麦打ちが始まりました!
まずは蕎麦粉と小麦粉をふるいにかけ、均一に混ぜます。
水に卵白を溶いたものを、少し加えます。
混ぜます。
硬さを手で確かめながら、水を加えては混ぜます。
フィリップが石膏の様だと言い、Nさんも「子供の粘土遊びのようなものです。」と笑いました。
ここで水をもう少し加えるか、それともやめておくかの判断が難しいそうです。
混ぜて、こねて、蕎麦粉が鏡餅のように丸くまとまりました。
次にこれを手で延ばして行きます。
打ち粉を振った台の上で、鏡餅状のものを手で押し広げます。「少し硬すぎたかなぁ。」とNさんは少し心配そうでした。水が足りないと、ふちの部分がひび割れたようになるのでわかるのだそうです。
麺棒で力を入れて延ばして行きます。
延ばします。
ひたすら延ばします。
ただ延ばせば良いという訳ではなく、四角に形が整うように延ばさなくてはならないそうなので大変です。
Nさんの思った通りには延びない様でしたが、これ以上無理に延ばそうとすると切れてしまうのでと、麺棒を横に置き、生地をたたみました。
いよいよ、包丁好きのフィリップにはたまらなく魅力的な蕎麦包丁の登場です。
切ります。
左手で少しずつ板をずらしながら、蕎麦包丁の横の歯で細く切り、切った蕎麦を上の歯で掬って解し、それを手で丁寧に並べていきます。
手打ち蕎麦の出来上がりです。
Nさんは手際良く片付けをなさってから、「他の人たちの到着まではまだ時間があるので、時間つぶしをしましょう。こちらへどうぞ。」とおっしゃいました。
そして、導かれたお部屋に入って驚きました。そこは、見たこともないようなオーディオ製品とホームシアターが設置された防音室だったのです。
いくつもあるスピーカーの中で、特にこのイギリス製の素敵なデザインに感激しました。
オーディオ好きのフィリップは目をらんらんとさせ、食い入るように見ていました。アンプはフランス製と聞いて喜んでいました。
ブルーのラインは飾りではなく、調音のためのパネルだそうです。クラッシック、ジャズ、ポップと、聴く音楽によってパネルの数や設計は変わって来るのだそうです。
この素晴らしい音響空間で、音楽やライブ、映画の一部を心地良く体感させて頂きました。
すっかりその世界に入り込み、どこに居るかも忘れてしまった頃、Nさんの友人たちがいらっしゃいました。みなさんご近所で、愉快な方ばかりでした。Nさんのさんまご飯や塩麹漬けのイカなどと共に、数種の地酒を堪能し、冗談を言い合って、楽しいひとときを過ごさせて頂きました。
Nさんは失敗作と仰っていましたが、手打ち蕎麦もとても美味しかったです。
ブログを通じて、こんな素敵な出会いに恵まれたことを幸せに思います。我が家のステレオでロックを聴きながら、それにしても昨日の音の響きは素晴らしかったとため息をつく朝であります。このブログを多くの方に見て頂けるよう、ぽちっとご協力よろしくお願いします!
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