2013年10月20日日曜日

国民性が良く表れているフランスの諺

先月このブログで「動物が登場するフランスの諺」「生物が登場するフランスの諺」「愛が登場するフランスの諺」について、それぞれ書いてみました。いにしえびとによる教訓や風刺が凝縮された諺に、なるほど言い得て妙と感心したり、時には吹き出してしまったり。日本の諺同様、フランスにも数え切れない程の諺があります。今回は、私があくまでも個人的に、「フランスの国民性が良く表れている諺だなぁ。」と感じるものを、いくつかご紹介したいと思います。

 
Impossible n'est pas français.
「不可能という言葉はフランス語にはない。」

フランス人は何かが不可能だとは考えないというわけです。かのナポレンがよく口にした言葉で、「余の辞書に不可能の文字はない。」として知られているようです。

フランス人は人から何か言われるとよく、即座に「ノン!(いいえ!)」と言います。ところが、自分が望んだり、実現させたいと思うことに関してはいつも「ウィ!(はい!)」です。事前にいろいろと考えず、突き進みます。頭で判断して諦めず、とりあえず行動してみて、困難に思えたことも可能にしてしまう傾向がある気がします。そのためには多少他人に迷惑をかけようと、あまり気にしません。私なら、他人に迷惑をかけたり、面倒なことになる位であれば、もう無理と諦めてしまうところですが、そんな日本人を「なぜ?」と不思議に思う様です。


C'est en forgeant qu'on devient forgeron.
「鉄を鍛えながらこそ、人は鍛冶屋になる。」
 
日本の諺の「習うより慣れろ。」と同じことですね。理屈をこねるのが大好きなフランス人ですが、理論だけではなく実践が必要であるということを、鍛冶屋に例えて語り伝えて来たようです。

フランスには「国家最優秀職人賞」という称号があり、高度な技術を持つ職人にその名誉が与えられるそうです。日本で有名なのは料理・パティスリー部門ですが、工芸、セメント、石、メタル、配管、ボイラー、壁紙など、その数は約180職種ほどもあるそうです。

こちらのジョエルさんも、そんな名誉ある国家最優秀職人賞を受賞したアーチストだそうですよ。


鍛冶屋の3代目だそうです。ジョエルさんにとってこの諺は、まさに真実であることでしょう。

 
Il faut tourner sa langue sept fois dans sa bouche avant de parler.
「喋る前に、口の中で舌を7度回さなければならぬ。」
 
フランス人はとてもお喋りな人が多いです。フランス人が数人集まって話をしているのを見ていると、とても愉快ですよ。他の人が話していても、途中で平気でさえぎって、自分が言いたい事を話します。さえぎられた人も別に気を悪くするわけでなく、また構わず話し始めるといった具合です。わぁわぁと議論が盛り上がっている様に見えて、実は誰も他の人の話を聞かず、各自が自分の言いたいことを喋っているだけということが良くあります。「こう言ったら相手はどんな風に感じるだろうか。」とはあまり考えないようです。頭で考える前に口が先に喋っているといった具合です。日本でも「口は災いの元」と言いますね。「よく考えてから話しなさい。」という意味で、舌を7度回すようにと伝えるこの諺には笑ってしまいました。
 
 
Il faut laver son linge sale en famille.
「汚れた洗濯物は家族で洗わねばならぬ。」
 
「身内のごたごたは他人に見せるべからず。」という意味です。フランスでは、家族内での揉め事や諍い、子供の教育問題、家族兄弟との遺産相続問題などといった「身内のごたごた」で悩む人がたくさん居ます。他人であっても、とても親しい友達であれば話を聞いてもらったり、相談したりするのは理解できますが、親しくもないような人に何でも喋ってしまう人が結構居るのですよ。私も、初対面の人から家族の遺産問題について話を聞かされ、どう応じて良いのやら、困ってしまったことがあります。
 
さて、今回の「国民性が良く表れているフランスの諺」編はいかがでしたでしょうか。また機会を見て、その他の諺についてもご紹介できたらと思う、雨のそぼ降る日曜日の午後です。
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