2013年10月21日月曜日

青い森

早いもので、10月も終盤に差し掛かっていますね。フランスではこの時期には何をしていただろうかと、昔のアルバムを見ていて、2006年の10月に作ったこちらのランプの写真を見つけました。名付けて「青い森」のランプです。


もうあれから7年もの年月が流れたのかと驚いてしまいます。今振り返ってみると、紅葉の美しい秋の頃から、年越しと新年を賑やかに迎えるはずの時期に一番、遠く離れた日本を恋しがっていました。粘土、和紙、着物の端切れなどを使って作った「青い森」のランプには、私の第二の故郷、青森県への想いがこもっています。製作過程の写真も何枚かありましたので、ご紹介したいと思います。どうぞお付き合いくださいね。

ランプの傘に使ったのは、木の葉の和紙です。里帰りの際、銀座の伊東屋さんで買い、大事に持って帰ったものです。留めの部分はちくちくと、針と糸でお裁縫の真似事をしました。


インテリアグッズ店で見つけた花瓶にも、少し色の薄い伊東屋さんの和紙をかぶせました。これだけでは寂しいので、何か生物を這い上がらせたいと考え、なぜか蜥蜴に決めました。

ねんどをこねこね、図鑑を見ながら適当に蜥蜴らしきものを作りました。


ペイントで青色に塗り、アンティークの着物の端切れを着せました。蜥蜴はとても迷惑そうでしたが、無理やりランプの台に貼り付けました。


それから黒い和紙を切り、蜻蛉、山百合、蝶、山葡萄をこの傘の内側に貼りました。明かりをつけた時に、それらが影絵の様に浮かび上がる様にしたかったからです。

そんな風にして作った「青い森」のランプに明かりを点けると、こんな感じになりました。


この望郷の念のこもった「青い森」のランプに合わせて、当時作った散文がこちらです。

青い森は大騒ぎ。
今宵会議が開催され、
エリートたちが集結する:
 
―なまけん坊の芋虫
―頑固者の胡桃
―わがままな蝶、
―高慢ちきな山百合、
―落胆する枝垂れ柳
―落ち着きのない赤蜻蛉、
―理屈っぽい山葡萄、
―内気な蓑虫
―おしゃべりな草雲雀

そして議事進行は・・・
あなた!
 
実は、私の身の回りの個性的なフランス人たちを、「なまけん坊の芋虫」「頑固者の胡桃」などに例えてみたのです。彼や彼女たちをみんな集めて、青い森で会議をしてみたら・・・と想像して、さぞや賑やかだろうと、一人でにやにやしながら作ったものです。昨日「国民性が良く表れているフランスの諺」の中でちょっと書いた通り、お喋りな人が多いので、物凄いことになりそうです。こんな会議の議事進行役は、私にはとても務まりそうにもありません。
 
さて、この「青い森」のランプは、ノルマンディの心の友れいちゃんの友達、ソソとリリ夫妻のところへお嫁入りしました。あの蜥蜴は元気だろうか、どこかに逃げ出してはいまいかと想像してみたりする、小雨のそぼ降る月曜の朝です。
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