2013年10月10日木曜日

西洋梨

秋から冬にかけて長く楽しめる果物といえば、一番に西洋梨が浮かびます。食べると特有の香りが口いっぱいに広がり、甘くとろけるような美味しさですよね。近年では種類が随分と豊富になりました。八戸近辺の市場やスーパーなどでも、プレコースやオーロラ他、数種類の西洋梨を買うことができます。新顔を見つけるたびに買って味見をしてみています。

ノルマンディ時代にも西洋梨をよく食べたものです。スーパーや市場で、無造作に山積みになって売られています。生でそのまま食べるのも美味しいですが、私はお料理やお菓子として登場する西洋梨がたまらなく好きです。

そんなわけで今朝は、フランスでも人気のある西洋梨のいくつかをご紹介したいと思います。
 
コンフェランス

日本では英語読みで「コンファレンス」と呼ばれていますね。なぜ「会議」などという堅苦しい名前がついたのかと調べてみたところ、1885年にロンドンで開催された西洋梨国際会議で、栄えある一等賞を獲得したからなのだそうですよ。

アレクサンドリン・デュイラール

フランスのデュイラール氏が育成した品種で、1849年に最初の果実が収穫されたそうです。日本には明治時代初期に導入され、岡山県で早くから「好本号」として栽培され、それが和名となったそうです。なんだか競馬馬のような名前ですね。
 
ドワィエンヌ・デュ・コミス

フランスのアンジェ原産で、通常は「コミス」の名で親しまれています。日本には明治時代初期に入ったそうですが、害虫が付き易く栽培が困難なため、生産数が少なく、市場にはあまり出回っていないと読みました。

ジェネラル・ルクレール

フランス、パリ近郊において、アンジェ国立農業研究所とノンブロ苗木商会によって1950年に発見された品種だそうです。日本へは1977年に青森県畑作園芸試験場によって導入されたのが最初とのことです。パリの気品と南部の大らかさのある品種と言われているそうです。
 
ブレ・アーディ

「ブレ」とは果実のやわらかい西洋梨のことを指すようです。この他にも、「ブレ・ジファー」「ブレ・デュロンドゥ」など、いろいろなブレ種があるそうです。ちなみに、これは"Hardy"ですが、フランスではHを発音しないので「アーディ」となってしまいます。

ウィリアム

 
ウィリアム・ルージュ

日本では「ウィリアムズ」の名で知られている洋梨ですね。このウィリアムズで私が思い出すのが、ちょっと面白いブランデーです。ヴィリアムズが丸ごとボトルの中に入っています。どうやって入れたのかと不思議に思いませんか?


そう、実はボトルをこんな風にかぶせて育てたのですね。


日本で人気で作付け面積も断トツで広い西洋梨は「ラ・フランス」です。ノルマンディで、このラ・フランスを探したのですが、どこにも見つかりませんでした。フランスが原産で、やみつきになる程美味しいのですが、なぜかフランスではほとんど生産されていないようです。

そういえば、西洋梨"Poire"という単語は、フランスの話し言葉では「間抜け」や「お人よし」を指すのに使われるそうです。美味しい果物に例えられたと喜んではいけないのですね。

さて、西洋梨の種類はまだまだあるようですが、この辺でおしまいにします。台風一過、今朝は気持ちの良い秋晴れとなりました。葉が黄色に色づいて来た庭の木々を眺めながら、甘い洋梨にたっぷりとチョコレートのかかったデザートを思い浮かべ、うっとりとする朝であります。
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