誕生祝いの食卓

8月3日の私の誕生日には、たくさんの方たちからお祝いのメッセージを頂き、とても幸せに思いました。みなさん、本当にありがとうございます。

昨日も気温は30℃を超え、むせ返るような暑さでしたが、フィリップは長い間台所に立って、私の誕生日を祝うための食事を用意してくれました。お祝い事のある時には奮発してシャンパンで乾杯するのが習慣となっています。今回フィリップが選んだのは、売り場のガラスケースの奥に恭しく飾られていたメゾン・アンリ・ジロー（Henri Giraud）の一本です。芳醇で優雅な味わいにうっとりとしました。

フィリップのお料理は、前菜が「ギリシャ風クスクスと烏賊やチョリソ」と「自家製芽キャベツの味噌風」でした。この猛暑から、地中海の国々を連想しながら作ったそうです。

そして、主菜は「抹茶サーモンとココナッツライス」でした。

前菜も主菜も、とても繊細な味わいで、シャンパンとの相性もぴったりでした。デザートには、抹茶のクリーム・ブリュレをリクエストしました。春をテーマとした4月のお料理教室でみなさんにご紹介したデザートです。おかげさまで、とても美味しい誕生祝いの食卓でした。

さて、昨日の母からのメールには、お祝いの言葉と共に私の誕生時の思い出が書いてあり、笑いました。父は、母を練馬の病院まで送り、付き添わずに家へさっさと帰ってしまったそうです。母はすぐに促進剤をうたれて、あっという間に私を産んでしまい、暑くてたまらない病室へ戻され、喉が渇いても誰も来ず、悲惨な思いをしたのだそうです。夕方に涼しい顔をして病院へ戻った父は、そんなことは予想もせず、自宅で暢気にお昼寝をしていたと言ったのだそうですよ。母は誕生日が来るたびに私にこの話をするので、相当恨みに思っているようです。今年も父が空から母に謝っていたのではないでしょうか。おそらく自宅で父が撮ったのであろうセピア色の写真を見ながらにやける、月曜日の朝であります。

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